World Sketch

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    世界の果てまで彩るワールドスタンダードダンスミュージック


    守屋友晴(Produce&Key)

    プロフィール

    2009年にデビューした、札幌在住のサウンドクリエイター・守屋友晴のソロプロジェクト。1stアルバム「Wonderful」が日本全国のハウスシーンに知れ渡り、他アーティストのプロデュースなども手掛ける。待望の3rdアルバム「THE WORLD ENDS」を1月15日にリリース。
    オフィシャルHP
    https://www.facebook.com/TomoharuMoriya

    音楽のトレンドが凄い変化しているので、「THE WORLD ENDS」はデモの段階からは全然違う形になりました。 

    守屋さんにお話を伺うのは2年半ぶりとなります。実は昨年春に新作「THE WORLD END」の原型をいただいているんですよね。
    「この2年半で音楽のトレンドが凄い変化しているので、デモの段階からは全然違う形になりましたね、最終的には。ここ1年は現場メインで勉強させてもらって、音楽の方向性が変わってきたという感じです。今まではクラブではグルーヴに乗せてゆったり踊る感じだったんですが、EDMの流れが来てから、タテノリになって踊るというよりは皆で騒ぐというイメージが強くなったような気がします。ライブ要素というかフェス感が出て来たと思います。」

    前作「Ready To Love」からは2年半が経過しています。
    「常に曲を作り続けているので、2年くらい前に出来ていた曲もあります。1年くらい前からリリースに向けて動き出して、「Ready To Love」の踊り要素よりも盛り上がり要素…ドーンと落としてそこから駆け上がっていくのがEDMの醍醐味なので、その盛り上がりをどう作るかにこだわりましたね。」

    デモからは相当ビートが強くなっているように感じました。
    「そうですね。「THE WORLD ENDS」というのは「世界の果て」という意味なんですが、World Sketchのコンセプトとして「スケールの大きい音楽」というのがあるので、スケールの大きさを追求するあまり、このタイトルにしてしまいました(笑)。」




    「THE WORLD ENDS」というアルバムを聴いてより多くの方がクラブに遊びに来てくれると嬉しいです。

    盟友ともいえるJonathan Mendelsohnの恩師のCOLDFEET他、新たなフィーチャリングアーティストも登場していますね。
    「Rucoとは10年近く前に札幌で出会って、今はアメリカ・ニューヨークで活躍しています。地元で出会えたシンガーとリスペクトしあえる関係で、今回参加してもらいました。「Krazy」は90年代の要素があると思うんですが、去年東京で開催されたクラブイベントで90年代の音楽を今風にアレンジしているのに衝撃を受けて、こういう音にしてみました。海外のEDMの流れもこの形ですね。Annaさんは現在FAKYというグループで活動しているんですが、その以前からのお付き合いで参加してくれました。」

    Daft Punkの名曲「One More Time」のカバーはよりドラマティックになっています。
    「デモから明らかに音圧が変わったと思います。EDMにドラマティックな要素を加えてみました。」

    COLDFEETは3曲でフィーチャリングされていますが、特に衝撃的だったのは「Victory」です。アコースティックギターとEDMが見事な化学反応を起こしていると思います。
    「アコースティックな部分とエレクトリックな部分を融合させてみたんですが、これも海外のEDMでは増えて来ていますね。でもこの曲を作ったのは1年前なので、影響を受けたというわけではないんです(笑)。常に誰もやっていないことをやりたいなと思っているんですが、たまたま流れが来ちゃったと(笑)。」

    ラストを飾るのはOasisのカバー「Don't Look Back In Anger」です。ミドルチューンをダンスミュージックにアレンジするのは難しいと思うのですが。
    「UKロックはもともと大好きだったんですが、ダンスミュージック以外の要素を取り入れたくて、単純に好きな1曲をフロア対応アレンジにしました。(アレンジは)普通にやったら難しいんです。そのまま早くすると言葉が詰まってしまって、心に入って来なくなっちゃうんです。僕がよくやるのは、例えばBPM=80の曲があれば、まず倍のBPM=160にして、それをBPM=128くらいに落とすと音符の間隔的に言葉が入りやすくなるんですよね。」

    それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
    「この「THE WORLD ENDS」というアルバムを聴いてより多くの方がクラブに遊びに来てくれると嬉しいです。よろしくお願いします。」


    インタビュー後記

    札幌の音楽シーンの成長が止まらない。その牽引車の役割を果たしているのがWorld Sketchこと守屋友晴さんだ。このサウンド、もはや日本で留まる域ではない。歌詞が英語だろうが日本語だろうがお構いなしに、世界を魅了するであろうメロディが溢れ出て来る。そしてそのメロディを更にドラマティックに仕上げる細かいサウンドメイキングもプロ中のプロの技だ。こんなプロデューサーが札幌にいるというのは私たち札幌の音楽ファンの誇りでもある。World Sketchの3枚目のフルアルバム、「THE WORLD ENDS」(世界の果て)というタイトルに偽りなし、だ。(橋場了吾)


    「THE WORLD ENDS/World Sketch」
    (2014.1.15発売/¥2800(tax in)/DDCB18005)
    1.The World Ends (Intro)
    2.Starlight
    3.Krazy feat.Ruco  
    4.One More Time
    5.The World Ends With You feat.Anna(Symphonic Remix) 
    6.One Life feat.COLDFEET(Super Happy Mix)
    7.Beyond 
    8.Victory feat.COLDFEET
    9.Believe Me 
    10.Lub B4 2012 feat. Kimara Lovelace(Big Room Mix)
    11.Miracles feat.加賀美セイラ 
    12.Blue feat.COLDFEET 
    13.Don't Look Back In Anger
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    plenty

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      無限大の可能性を感じさせる「これから」のplenty


      《L: 江沼郁弥(Vo&G) 新田紀彰(B) :R》

      プロフィール

      歌詞、曲、存在、それぞれが独特。そしてどこまでも確信的であり革新のロックバンド。これまでに2枚のミニアルバム、4枚のEP、2枚のフルアルバム、【Sound Film Track】という新しい表現形態での作品を1枚リリース。数々のツアーやイベント出演で注目を集める。2013年12月にコンセプトアルバム「 r e( construction )」を、今年1月29日には5th EP「これから/先生のススメ/good bye」をリリース。2/15より5th EPをひっさげて全国13公演の「plenty 2014年 春 ワンマンツアー」を開催。
      オフィシャルHP
      http://www.plenty-web.net/
      ライブ情報
      plenty 2014年 春 ワンマンツアー
      2014.3.9(日) 札幌・ペニーレーン24
      開場16:30/開演17:00

      何を一番大事にしようか、何を聴いてもらおうと思った時に、やっぱり“歌”だったんですよ。 

      お二人にお会いするのは去年のライジングサンロックフェスティバルのバックヤード以来…改めて2013年はplentyにとってどのような1年でしたか?
      江沼「色々なことをやらせてもらった1年でした。「this」というアルバムは自分でアレンジを全部やった作品でしたし、「this」のツアーは初の4人体制だったので、ライブでも新しいことをして。「 r e ( construction ) 」ではストリングスのアレンジ…しかも過去の作品のリアレンジでしたし、東京で年末に2日間ストリングスの方とのライブもあり、そしてEPの制作…また新たな気持ちになって来ましたね。」

      ここ最近2枚のCDがリリースされていまして、まずはコンセプトアルバム「 r e ( construction ) 」について伺います。2013年12月にリリースされていますが、実は前回お会いした時にお話は軽く聴いていたのですが、まさかストリングスとバンドサウンドを融合させてくるとは思っていませんでした。
      江沼「ストリングスのアレンジは難しかったんですけど面白かったですね。ストリングスは全員メロディを弾くので、どうしても「ぶつかる」んですよ。「1stヴァイオリンのメロディいいなあ、チェロのメロディもいいなあ、混ぜると…どっち聴いたらいいかわかんないな」みたいな(笑)。「チェロとベースが近過ぎる…もう少し離さないと」とか。で、ヴォーカルを入れたらメロディが多過ぎて、歌に耳が行かない(笑)。本当に「やめようかな」と思いました。「やめます」って言いたいくらい大変な作業でした。何を一番大事にしようか、何を聴いてもらおうと思った時に、やっぱり“歌”だったんですよ。自分で全部アレンジするようになって、細かいところを追求していくのも好きなんですけど、そういうものは歌周辺のモノなんですよね。歌のためにアレンジをするんだ、と気づいてから、音の増減やメロディの変化をスムーズに出来るようになりました。」
      新田「実はベースラインは過去のアレンジと同じところがないので(苦笑)…でも面白かったですし、楽しかったですよ。昔の自分と今の自分を比べるとだいぶ違いますよね。例えば「待ち合わせの途中」は今のバージョンではバーッと弾いているんですけど、それは歌を引き立てるためのアレンジなんです。やっぱり歌を聴いてもらわないと…「歌の周りにいる自分」なので。今それをやらせてもらって凄い勉強になりましたよね。」
      江沼「ただ楽しいレコーディングではなかった、というのは自分たちらしいですし、良かったなと思います。「俺が!」というよりも「楽曲ありき集団」というか。いかに自分たちが曲の歯車になれるかということが大事でしたね。」




      5th EPは芯は変えずに破壊していくという感じです。

      そして1月29日に5th EP「これから/先生のススメ/good bye」がリリースになりましたね。
      江沼「実は途中段階の曲は「 r e ( construction ) 」より前にあったんです。違う作業を同時進行させていくのは大変だったんですが、「 r e ( construction ) 」を制作したことで今のモードが変わったので、5th EPのアレンジも「どうしようかな」と思っていたものが「こうしたい」に変わったんですよね。「これ歌いたい」「こういう音にしたい」というのが「 r e ( construction ) 」を経たことでバシッと決まりました。」

      「 r e ( construction ) 」のように過去の曲を見つめ直すことが大切な作業だったんですね。
      江沼
      「まだ早いかなと思ったんです、振り返ることが。そういう気持ちもあったんですがplentyには本当に色々なことがあったので、このタイミングで振り返らないと振り返ることがなかったんじゃないかなと後から思いました。これって必然?みたいな気持ちになりましたね。」

      3曲が3曲、plentyらしさはそのままに新しさを感じさせる楽曲でした。
      江沼「芯は変えずに破壊していくという感じです(笑)。飽きっぽいんですよ、僕が。面倒くさい方にどんどん進みたいですし、色々なことをやった方が楽しんでもらえるんじゃないかなという気持ちもありますし。安定志向がないんですよね。自分が楽しいものを作っていく、というのがそういうことに繋がっていくと思うんですが、自分は自分なのでどうやっても変われないんですよね。」

      3月9日・日曜日には札幌・ペニーレーン24でワンマンライブがあります。最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
      江沼「四人体制最高のツアーにしたいなと思っています。最高の形を見せたいなと思っていますので、良かったら遊びに来てください。」
      新田「北海道でライブをするのは半年ぶりになりますが、札幌は個人的にも好きな場所なので遊びに来てほしいです。過去の曲も含めて凄い面白いライブになると思うので、是非ライブに来てください。」


      インタビュー後記

      とにかく凄いポテンシャルだ。「 r e ( construction ) 」で過去曲をストリングスと共演、新たな息吹を吹き込むことに成功したplentyは、5th EP「これから/先生のススメ/good bye」で新機軸を打ち出した。しかしながら江沼郁弥というハイトーンヴォーカルの魔術師と、新田紀彰という変幻自在にボトムを操る個性を放つベーシストが奏でるplentyらしさは全く失われていない。そして“歌”のためにすべてのアレンジがあるというバンドスタイルを改めて提示した。昨年のワンマンライブは個人的に2013年の最高のステージアクト。その最高すらあっさり超えて来そうな予感がするのは、5th EPで「これから」を明確に伝えてくれたからだろう。(橋場了吾)


      「これから/先生のススメ/good bye/plenty」
      (2014.1.29発売/¥1000(tax in)/XQFQ1211)
      1.これから
      2.先生のススメ
      3.good bye
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      jyA-Me

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        音楽を通じて自己と他己を繋ぐ「This is. Me」


        jyA-Me(Vo)

        プロフィール

        北海道出身。生まれながらの絶対音感と艶のある声質、海外仕込みの圧倒的なダンスパフォーマンス、自ら作詞・作曲もこなす上、またそこからは想像もつかないようなキュートなルックス が話題沸騰の唯一無二の実力派ヴォーカリスト。4歳からダンスを始め、日常生活の中で洋楽を聴いていたことから、ストリート、HIP HOPカルチャーにも興味を持つ。15歳でダンスユニットを組み各地のイベントショーケース で活動を開始し、アーティストのバックダンサーやPV出演などの活動を行う。その後DJにも興味を持ち、ダンスユニットと並行してDJ活動も行うが、更なるスキルアップのため 単身渡米。帰国後一流アーティストのバックダンサーとして経験を重ね、またヴォーカリストとしても定期的に都内のクラブ、ライブハウスなどで活動。2008年インディーズにてシングル「favorite cruisin' feat. JUN (from CLIFF EDGE)」をリリース後、ソロとしての制作 期間を経て2011年11月に1stアルバム「Luv. Me」でメジャーデビュー。
        オフィシャルHP
        http://jya-me.net/

        「This is. Me」というタイトルは自分の感情と皆さんの中の「This is. Me」を見つけてほしいというダブルミーニングでつけました。 

        jyA-Meさんにとって2013年はどんな1年でしたか?
        「去年は1月に「Follow. Me」というオリジナルアルバムが出て、8月にデュエットカバーアルバム「With. Me -Duet Cover-」が出させていただいたんですが、そのリリースの合間に「This is. Me」を制作していたので、1年間を通して発信・発信の1年間でしたね。制作のための家を借りまして、そこで空いている時間は常に色々なデモを作っていました。狭い場所ではあったんですが、大きな声を出しても大丈夫な場所だったので、集中して制作出来ました。」

        1月15日にアルバム「This is. Me」がリリースになりました。
        「日本語にすると「これが私です」という意味になるんですが、「これが私だ!どうだ!」という感じではなく、私にも色々な想い…悩んだり挫折したり傷ついたり夢を追いかけている途中だったり、音楽を始める前から感じてきたことも含めて「こういう感情で私は出来ているんです」という意味の「This is. Me」と、SNSやお手紙でいただくメッセージから私と共感出来る部分を曲にしようと思って、自分のフィルターを通して皆さんの中の「This is. Me」も見つけてほしいなというダブルミーニングで「This is. Me」とつけました。

        フルレンスアルバムとしては1年ぶりのリリースですね。
        「「With. Me -Duet Cover-」と並行して少しずつ作っていったんです。今回の制作方法は最初に何曲収録しようというのを決めるのではなくとにかく色々な曲を作って、惜しくも落選した楽曲がたくさんあるんです。まずサビを作って、とか少しずつ形にしていった感じです。」

        ご自身の中から出て来るものと、周囲から得たものを自分のフィルターを通して出来るものでは、どのような違いがありますか?
        「自分の中から出て来るものは“早い”ですよね。ガールズトークやファンの方からのメッセージから作るものは、落とし所をどこに持っていこうとか色々考える分だけ時間がかかります。でも結局は、自分が何を伝えたいのかなので、その部分が歌詞に残って来ますね。」



        「札幌は地元なので、東京に住んでいてもこれからも繋がっていきたいと思います。

        1曲目に収録されている「Crazy About You」はミュージックビデオも制作されていて、凄くカッコいいダンスも披露されていますね。
        「ありがとうございます。今回のトラックは振付のことも考えながら制作しました。SHIGEさんという有名なコレオグラファーがいらっしゃるんですが、彼が振付をしてくれると信じて「このパートはこういう感じ」という打ち合わせをしながら作っていきました。歌って踊れる方はたくさんいらっしゃると思うんですが、そこで自分らしさを出すためには、一番好きなオールドスクール・ニュースクールと呼ばれるヒップホップダンス…女性でイカついダンスをするシンガーさんはいないのかなと思っているので、女の子らしいと言われるヴィジュアルでガッツリ踊ったら面白いと思って。見て聴いて楽しんでもらえるようなミュージックビデオが大切だと思うので、カッコいいとか凄いとかいう感情は、漠然としていてもその人の中で何かが変化するものだと思うので、スパイスとして私が出来る表現を入れました。」

        2曲目の「嫌いにさせてよ…feat. SHUN」はSHUNさんとの共作ですね。
        「ラップの部分はSHUNさんに書いていただいたんですが、この曲が一番難産で歌詞だけで3か月くらい悩みました。私がこだわったのが、男女が別れた後のロスタイムの部分を切り取って作るというところだったので、その前後の部分をあまり書きたくなかったんです。わかりやすくすると「苦しい」「前向きに行こう」という言葉になるのかもしれないですが「もうさよならなんだ」という余韻のある楽曲にしたかったので、そこでかなり悩みましたね。だいぶ悩んでからSHUNさんに渡して、男性目線のラップを加えてもらいました。」

        個人的に大好きなのが「Power Of Music」という曲なんですが、jyA-Meさんにとっての音楽がどのような存在なのかが表現された1曲だと思いました。
        「小さい頃からダンスやピアノをやっていたので、物心ついた時から音楽という存在が自分のそばにあって、辛い時は音楽を聴いて泣いて泣いてデトックスされたり、楽しい時はクラブで盛り上がったり、音楽と共に生活して音楽に助けられてきたので、音楽に対する感謝を込めました。そしてこういう楽曲だからこそ皆さんとライブで盛り上がれる1曲にしたいと思って、前に収録されている「This is Me 〜interlude〜」からCDで聴いてもワクワクしてもらえるように曲間にもこだわりました。」

        それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
        「札幌は地元なので、東京に住んでいてもこれからも繋がっていきたいと思います。また帰って来た時には皆さんの笑顔を見せてください。これからもよろしくお願いします。」


        インタビュー後記
        一人のアーティストが作ったとは思えないほどバラエティに富んだアルバム「This is. Me」には様々な共感ポイントが隠されている。恋愛中の方には「Crazy About You」、別れた直後の方には「嫌いにさせてよ…feat. SHUN」、元気になりたい方には「Power Of Music」、泣きたい気持ちの方には「HEAVEN」…なんとなく分類するとこんな感じだろうか。これだけ音楽に変化をつけられるのは、やはりjyA-Meさんの「This is. Me」によるところが大きい。そしてその「This is. Me」を聴くことで、我々聴き手側の「This is. Me」も想起される。北海道・札幌が生んだダンスディーヴァは本当に興味深い1枚を作り上げた。私個人としても彼女のライブパフォーマンスは2年弱ご無沙汰しているので、そろそろ北海道でのライブも拝見したいところだ。(橋場了吾)


        「This is. Me/jyA-Me」
        (2014.1.15発売/¥2500(tax in)/KICS2000)
        1.Crazy About You
        2.嫌いにさせてよ…feat. SHUN
        3.MABOROSHI
        4.This is Me 〜interlude〜
        5.Power Of Music
        6.間違いだらけのLove story
        7.Scream
        8.Brand New Day
        9.HEAVEN
        10.Love.ママ
        ※初回限定盤(¥3000(tax in)/KICS92000/DVD付)も同時発売
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        Rhythmy

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          不思議な感覚を纏った「mossmoss」という名の楽曲群


          SAyA(Vo)

          プロフィール

          札幌在住、電子音楽ユニット木箱のヴォーカルSAyAのソロプロジェクト。透明感溢れるウィスパーボイスが特徴的でありピアノ、シンセサイザーなどの鍵盤楽器をメインに作られたトラック、さらにサンプリングした身の回りのいろいろな素材を重ね、自由で独創的な音世界を表現している。対照的なものが混在する世界を好み、時にはファンタジックであり破壊的でもある。自身の世界をより追求した音のストーリーが広がっていく。2013年12月25日に1stミニアルバム「mossmoss」をリリース。
          オフィシャルHP
          http://rhythmy.tumblr.com/

          自分の音楽を聴いて心を落ち着かせてもらったり安心してもらえたらいいなと思って、Ryhthmy(リスミー)という読み方にしました。 

          今日はRyhthmyというSAyAさんの個人名義でお話を伺いますが、その前に木箱としては2013年はどのような1年でしたか?
          「色々な場所にライブに行けた1年でしたね。本当に飛び回っていましたね。その分制作の時間が割けなかったので、今年は木箱結成10周年というのもあってリリースに向けて頑張ります。ただ色々な場所での出会いや繋がりが貰えて、自分にとっては貴重な1年になりました。」

          10年目の区切りの年にソロプロジェクトが動き出したんですね。
          「実はそれほど意識はしてなかったんですが、木箱メインでやってきたので、2008年くらいから趣味のレベルでソロの作品を誰にも縛られずに作り続けていたんですよね。最初はプログラミングも自信もなく始めていたんですが、曲がたまって来た時にニシム(木箱の西村サトシ)が「せっかくだから出してみたら?」と言ってくれて。それで気持ち的に「外に出していいのか」と思って、そこから調整し始めたという感じだったので、初期衝動的な自由に好きな音を入れて歌ったこともあって、「これが自分です」という作品になったと思います。」

          Rhythmyというプロジェクト名もユニークですね。
          「昔は「リズミー」と読んでいたんですが、最初はポップなイメージで「私のリズムで進んでいこう」という感じで決めたんです。ただ曲を作っていくとポップ性よりがあまりなく(笑)、名前が合わないかなと思って。改名も考えたんですが、ある日色々調べていたら「リスミー」という入眠剤があって、自分の音楽を聴いて心を落ち着かせてもらったり安心してもらえたらいいなと思って、名前を変えずに読み方を変えました。」




          「mossmoss」には言葉にしないことで、本当に自分の感情が外に出る…強いメッセージを発している感覚があります。

          2013年12月にミニアルバム「mossmoss」がリリースになりました。このタイトルにはどういう意味が込められていますか?
          「「moss」というのは「苔」という意味なんですが、アルバムの中に「不思議の森のモスモス」という曲が入っていて、そのイメージが深い深い森の中で霧もかかっていて潤っていて、その中にいる妖精なのかわからない生き物がいて、その生き物の名前が「mossmoss」なんです。その「mossmoss」のイメージが強かったので、響きも可愛くていいかなと思ってこのタイトルにしました。」

          木箱とは明確に違う点といえば、不思議な語感の謎の言語が出て来るところです。
          「今回のアルバムで日本語で歌われているのは「透明」だけで、それ以外のヴォーカル曲は謎の言語というか、SAyAオリジナルのフワフワした言葉です。制作している時に歌を入れる段階で、赴くままに歌を入れている時に、あえてこのフワフワした言葉がいいかもと思ったんですよね。英語詞をつけた曲もあるんですが、歌ってみるとあまりしっくりこなくて、フワフワした謎の感じの方がしっくりしたのでこのままにしました。言葉にしないことで、本当に自分の感情が外に出る…強いメッセージを発している感覚があります。この作品は自分の出したいことに重点を置いていたので、それが自分らしいのかなと思いました。」

          それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
          「今年は木箱10周年ということもあるので面白いことを考えています。妄想を形にして皆さんにもっとワクワクしてもらえるように頑張りますので応援よろしくお願いします。」



          インタビュー後記

          誤解を恐れずに言うとポップ性はないアルバムだ。しかしながらポップを超える引力を有していることも事実。いわゆる意味の通じる言葉で書かれている楽曲は1曲しかないが、ヴォーカルが楽器のように感じられる楽曲群には不思議な力が働きぐいぐい引き込まれていく。木箱で展開されている楽曲の透明感とはまた別の、いい意味の妖しさもある。北海道のミュージックシーンの幅が更に広がるアルバムといっていいだろう。北海道から日本へ、というよりはリリースされた時点で世界に羽ばたいている楽曲群。それが私が思う「mossmoss」に対する率直な感想だ。(橋場了吾)
          ※SAyAさんは木箱としてREAL MUSIC VILLAGE 2014への出演が決定しています。


          「mossmoss/Rhythmy」
          (2013.12.25発売/¥1500(tax in)/KTRR001)
          1.巣
          2.透明
          3.不思議の森のモスモス
          4.結晶
          5.glass
          6.雨の日のピエタ
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          植村花菜

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            様々な「輝く時間の中で」得た経験が紡ぐ歌心


            植村花菜(Vo&G)

            プロフィール

            1983年1月4日生まれ。A型。兵庫県川西市出身。3歳から8歳までクラシックバレエ、5歳から8歳までピアノを習う。8歳の時、映画『サウンド・オブ・ミュージック』を見て、その世界観に感銘を受け、歌手になることを決意。2001年3月、大阪スクールオブミュージック専門学校に入学。2002年1月、独学でアコースティック・ギターと同時に、作詞・作曲も始める。2005年5月、シングル「大切な人」でメジャーデビューを果たす。2010年3月にリリースしたミニアルバム「わたしのかけらたち」に収録された「トイレの神様」が各方面で驚異的な反響を呼び、オリコン・有線・着うた(R)ランキングなどの各チャートで、上位を長期的に賑わすロングヒットを記録。その後もリリースとライブを中心に精力的に活動を展開。
            オフィシャルHP
            http://www.uemurakana.jp/
            ライブ情報
            あなたの街におジャマします Tour 2014 〜ギターと私〜
            2014.3.16(日) 小樽・ゴールドストーン
            開場18:30/開演19:00

            その時の自分が一番言いたかったことをストレートに歌詞にしたのが「輝く時間の中で」です。 

            植村さんにお話を伺うのは3年ぶりとなります。植村さんにとって2013年はどんな1年でしたか?
            「去年は結婚したり、プライベートでも大きなことがあった1年だったんですが、音楽的には新しいことに挑戦した年でしたね。今まではJ-POP系のサポートミュージシャンの方とツアーに回っていたんですが、年末年始にジャズライブをやらせてもらって、完全にジャズ畑の方々と一緒にツアーしたんです。そうするとこれまで何十回と歌ってきた私の曲が、全く違うアレンジで生まれ変わってライブをすることが出来たんですね。ジャズは基本的に決まりごとがないので、その時その時で皆全然違うことをしてくるので、それにも臨機応変に反応しなければいけない…それが凄い楽しかったですね。」

            即興に対応するのは難しいことだと思うのですが…。
            「実は一緒に演奏してもらったジャズミュージシャンの方々は、私が1年かけてジャズクラブに通って、自分がどうしてもこの人とやりたいと思った方に声をかけたんです。その1年で色々なジャズを生で聴いて、とにかく「音を感じる」ということでしたね。即興にどういう風に反応するかを勉強させてもらったので、皆の音を聴いて、自分から出て来る音を楽しみながら出来ました。音楽的には幅が広がった1年でしたね。」

            1/29にシングル「輝く時間(とき)の中で」がリリースになりましたね。
            「王道中の王道のバラードです(笑)。最近は歌詞を先に書いて、その歌詞に曲を乗せるという作り方をしているんですが、今回は曲が最初に出来ていたんです。しかも5年くらいかけて出来た曲なんです。一番最初にサビのメロディが5年くらい前に出来ていたんですが、それから先が出来なくてしばらく置いていたんですよ。それから何年かしてAメロを作って…みたいなことを繰り返して、メロディ自体が出来たのが3年前くらいです。凄い気に入っているんですが、歌詞をつける気にならなくて、ずっとストックされていたんです。それで去年ドラマのタイアップのお話(テレビドラマ「水曜ミステリー9」エンディングテーマ)があって、それから歌詞を書いたんですが、その時の自分が一番言いたかったことをストレートに歌詞にしてみました。」

            メロディが先に出来ていると歌詞の文字数に制限があるので、言葉合わせが凄く難しくなると思います。
            「先に歌詞がある方が楽は楽なんですが、メロディに歌詞を乗せていくのも楽しいんです。メロディが先にあると、言葉数を合わせないといけないので、そのおかげで洗練された言葉が残るというか。同じ表現でも色々な言葉を探して、メロディに一番はまる歌詞を乗せるので、これがまた面白いんですよね。」



            アメリカの音楽文化を吸収する中で価値観が広がって来たのと、20代から30代になるにあたって新しい心境になったのかなと思います。

            「輝く時間の中で」は一行目から景色が見えて来るようで、凄く入り込みやすいバラードだと思いました。歌声も太くなった気がしました。
            「最近良く言われるんですけど、自分ではあまり気づいていないです(笑)。2年前にアメリカ一人旅をしてきまして、それから帰って来てから「歌が変わった」と言われるようになったんですよね。色々解放されたところがあるのかなとは思います。2か月ギター片手にストリートライブや飛び込みでライブしたりして、アメリカの音楽文化を吸収する中で価値観が広がって来たのと、20代から30代になるにあたって新しい心境になったのかなと思います。今凄く自由ですね。」

            カップリングにカバー曲「Wonder Of Wonders」が入っているんですが…何と元Dizzy Mizz Lizzyのフロントマン・Tim Christensenがオリジナルです。超マニアック(笑)!
            「Tim Christensenはデンマークのシンガーソングライターなんですが、実は旦那さん(Indigo Jam Unitのドラマー・清水勇博)が教えてくれまして。で、聴いてみたところ、旦那さん以上にどっぷりはまってしまって、リリースされているアルバムを全部買って聴きました。その中で「Wonder Of Wonders」に出会った時に「めちゃくちゃいい曲!」と思ったと同時に「めちゃくちゃ歌いたい!」と思って、なので歌いました(笑)。」

            この歌はオリジナルも素晴らしいですが、植村さんのバージョンの方が“強さ”を感じました。
            「ありがとうございます。Timのオリジナルはオーケストラも入って豪華な感じなんですが、私はピアノもアコーディオンも全部自分で弾いて、オリジナルよりも世界を小さくしたんです。Timが大自然の中で繰り広げられている世界なら、私のは小さなお家で暖炉の前で演奏している、みたいな。それが逆に距離の近さというか、暖かさにつながったのかもしれませんね。」

            3/16・日曜日には小樽で弾き語りライブが開催されます。
            「2年前はアメリカで武者修行したんですが、今回は日本で武者修行をしようかと(笑)。北海道でも「花菜ちゃんの生の歌を聴きたい」と言ってくださっている方もいるので、こちらからお邪魔させていただこうという趣旨で弾き語りでライブをします。」

            それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
            「3月にまたライブで来られるので非常に嬉しく思っています。これを機に北海道にもっと来ようと思っていますので、植村花菜の歌声を聴きに来てもらえればと思います。2014年もよろしくお願いします!」



            インタビュー後記

            2012年はアメリカ一人旅、2013年は結婚という大きな契機があり、それらのイベントが更なる音楽的進化をもたらした。ヴォーカルは以前よりも逞しさと説得力を増し、「Wonder Of Wonders」のような、日本では埋もれていた名曲を掘り起こした。大ヒット曲が出たアーティストというのは、停滞しがちだが植村花菜さんは更に新しく音楽の幅を広げることに成功した。「輝く時間の中で」は、一行目のリリックですべての情景が浮かんでくるような完成度の高さを誇り、「これぞバラードの教科書!」というような歌を聴かせてくれている。そしてこのタイミングで弾き語りライブで歌心を届ける心意気も素晴らしい。「トイレの神様」は今もこの歌への愛情いっぱいのシンガーソングライターを優しく見守っている。(橋場了吾)


            「輝く時間の中で/植村花菜」
            (2014.1.29発売/¥1050(tax in)/KICM1490)
            1.輝く時間の中で
            2.気にThrough, 気にしNight
            3.Wonder Of Wonders
            CDの購入はこちら →
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