SPYAIR

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    眩い輝きを放つ「MILLION」という名の「近未来設計図」


    《L: KENTA(Dr) MOMIKEN(B) IKE(Vo) UZ(G&Pro) :R》

    プロフィール

    愛知県出身4人組ロックバンド。インディーズ時代にストリートライブでキャリアを重ね、2010年6月の100本目のライブでは2000人を集めた実力派。同年シングル「LIAR」でメジャーデビュー。2012年12月18日、日本武道館公演を大成功させた。8月にリリースしたアルバム「MILLION」はSPYAIR史上初のオリコンウイークリー2位を記録。秋から初の全国ホールツアーを行う。
    オフィシャルHP
    http://www.spyair.net/
    ライブ情報
    SPYAIR TOUR 2013 "MILLION"
    2013.12.1(日) 札幌・サッポロファクトリーホール
    開場17:30/開演18:00


    俺らはこの間のツアーはストイックな気持ちというのはほとんどなかったんです。

    今日はIKEさんにお話を伺います。4月27日・土曜日には札幌・ペニーレーン24でライブがあったんですが、昨年12月の日本武道館公演から短期間で更に進化しているのに感動しました。新曲とすでにライブで何度も演奏されている曲の差も感じませんでした。
    「いやいやいや、そんなことはないです。自分たちでも新曲は甘いなとか慣れてないとかは感じてるんですよ(笑)。でも武道館で演奏した俺らのスタンスとこの間のツアーでのスタンスでは大きく異なる点があって、音をしっかり届けるというベクトルは一緒なんですが、その想いは違うんです。音をしっかり届けるということを考えた時に、「音楽」をやらないとダメなんですよ、根本的なことなんですが。俺らはこの間のツアーはストイックな気持ちというのはほとんどなかったんです。ストイックに練習して演奏するのも意味のあることだと思うんですが、やることしっかりやってライブに向き合ってその瞬間を楽しむ…ツアーをやっていること自体を楽しむというポジティブな精神状態でライブをしていたので、それが音に表れていたんだと思います。人が100%に近い状態のパフォーマンスを出せる時というのは、いい意味で興奮とリラックスの間なんですよ。そういう状態がうまく作れたので、演奏もうまくいったのかなと思います。ツアーの中でもブラッシュアップ出来たのも良かったですね。」

    7月にはシングル「現状ディストラクション」がリリースになりましたが、ヘヴィとキャッチーが絡み合う「これぞSPYAIR!」という1曲ですね。
    「そうなんです、これぞSPYAIR!なんです。いわゆるストレート球ですね。これは作曲者のUZのサウンドコントロール…彼のイマジネーションは凄くセンスがあるので、SPYAIRというものを捉えた上で楽曲を制作していると思います。実は今年出たシングル(他には「サクラミツツキ」「虹」)はアルバムの一部分なんです。なので今回のアルバムのコンセプトがあるとすれば「SPYAIRそのものを表現する」ということなんです。」



    「MILLION」というアルバムは可能性の塊なんです。

    そのアルバムというのが8月7日リリースの「MILLION」ですね。
    「UZがアルバム曲を作曲する時にパソコンにフォルダを作っていたんですが、そのフォルダに「MILLION」というタイトルをつけていたんです。この3枚目のアルバムは俺らにとって重要になるという意識はあったでしょうし、これをイメージとして「100万人の人に届けたい」というのがあってこのタイトルになったそうです。でも結果的に「MILLION」になって俺は気に入っていますし、付加価値をつけられるアルバムだと思うので、可能性しかないタイトルがつけられて本当に良かったと思います。可能性の塊なんです。」

    このタイトルを見た時にSPYAIRの決意を感じました。そして1曲目には「OVERLOAD」というペニーレーン24のライブのオープニングを飾った1曲が収録されています。最初にサイレンが鳴った瞬間にガッツポーズでした(笑)。
    「ありがとうございます。「あれだー!」みたいな(笑)。役割的な話をするとこの曲はアルバムがスタートするためのSEなんですよね。この曲が出来上がった時に、UZの中でアルバムの構想が練られ始めたんです。UZがラフで上げて来た時に、すでにサイレンの音も入っていたんですが「めちゃくちゃいいから、アルバムの1曲目に入れたらヤバいアルバム出来るよ」なんて会話を移動中にしていたんです。まさにその構想がベースになってアルバムが組みあがったんです。今回アルバムを制作するにあたり、UZが設計図を書いてくれたんですよ。1曲目はこう、2曲目はこう、みたいな。なので自分たちが今何を作っているのかがわかりやすかったんです。一本軸を置くことで共通認識を持てたのは大きかったですね。「MILLION」と名付けられた設計図に基づいて俺がやることは「歌うこと」だったんです。信じてるんですよ、アルバムや楽曲に関してはUZが絶対的なセンスでコントロールしてくれる。だから俺は「歌う」。意識が一つに絞れたのはありがたかったですね。」

    8曲目に入っている「Supersonic」ではそのUZさんがラップを披露しています。
    「この曲はアルバムに必要不可欠だったと思っています。ヴォーカリストの声というのは声色を変えても同じ帯域なので、どうしても聴いている方は疲れて来るんです。それで必要だったのが「Are You Champion? Yeah!! I'm Champion !!」の女性の合いの手だったり、UZのラップだったんです。別のヴォーカルの声。リピートをかけて何回も聴けるアルバム…名盤を目指す上で絶対に必要不可欠だったんですよね。」

    実はその次に入っている「雨上がりに咲く花」が個人的にはこのアルバムのハイライトなんです。。
    「え?それは意外です(笑)。この曲はアルバムの中でも異質な要素があるかもしれないですね。独特の浮遊感というか。音楽知能の高いサウンドにも仕上がっていると思いますし、メッセージ的にも一番カオスな感情を抱えているんです。SPYAIRの曲というのは大体答えがあるんですが、この曲には全く答えがない…。「自分をどうしたらいいかわからない」というところで感情が止まっているんです。戦っている場所・魅力的な場所というのは綺麗なものと汚いものが混在していると思うんです。ヴォーカリストとして気をつけたのは、メッセージがカオスだからこそ、一番綺麗に歌おうと。気に入ってもらって嬉しいです。」
    ※IKEさんは筆者がヘヴィ好きだと思っていました(笑)。

    この曲の次が「虹」です。雨上がりと言えば虹…ですよね。
    「これ、奇跡的なんです。MOMIKENが意図した部分があったかどうかは謎なんです。「雨上がりに咲く花」というタイトルは最後の最後で決まったので。CDの仕上げのマスタリングの時にアルバムを通して聴くんですけど、「雨上がりに咲く花」があることで「虹」が変わったんですよね。これが「アルバム」なんだなと思いました。俺らは「アルバム」という単位の一つの作品を提示したいんですよ。ここにこれまでの経験がすべて詰まっているので、俺らにとっても重要なアルバムですし、これが世の中的に1stアルバムになるとも思っています。これまでの作品の中で一番広がるのも想像出来ているので、初めてSPYAIRのCDを手にする人もたくさんいると思うので、SPYAIR第1章の代表作です。この作品でSPYAIRの第1章は終わりなんです。ここから作っていく作品は全く別のベクトルになるので、これと同じような作品はもう二度とないと思います。」



    北海道に帰ってくると「ただいま」という言葉が、自然に出て来るようになってきました。 

    12月1日・日曜日に札幌・サッポロファクトリーホールでライブがあります。
    「ド派手にやりますよ(笑)。ここから「MILLION」に付加価値をつければつけるほど、俺らの活動の幅が広がって豊かなものになっていくので、このアルバムがすべてを握っているかなと思います。」

    それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
    「北海道の皆さん、いつもありがとうございます。ここに帰ってくると「ただいま」という言葉が、自然に出て来るようになってきました。それは俺にとって凄く心休まることですし、安心感をいただいています。そのお返しは音源とライブでしっかりしていきたいと思っているので、是非12月1日、サッポロファクトリーホールに遊びに来てください。そして「MILLION」をたくさんの人に聴いてもらいたいですし、一人一人に届けたいと思っているので、手に取ってみてください、よろしくお願いします。」


    インタビュー後記
    日本武道館公演から8か月、この短期間で更なる急成長を遂げたSPYAIR。その証明が3rdアルバム「MILLION」だ。この「MILLION」を制作するに当たり、サウンドの要であるUZさんは設計図を書いて、バンドメンバーにこのアルバムの最終形を説明していた。その結果完成したのがSPYAIRの未来を眩く輝かせる、とてつもなくハイクオリティな作品だ。キャッチーなメロディにヘヴィなギター、ソリッドなリズム隊と「これぞSPYAIR!」という楽曲の嵐。IKEさん曰く「SPYAIR第1章の締めくくり」となった作品は、SPYAIRの「万人に自分たちの音楽を伝えたい」という決意が込められた「近未来設計図」だった。(橋場了吾)



    「MILLION/SPYAIR」
    (2013.8.7発売/¥2800(tax in)/AICL2561)
    1.OVERLOAD      
    2.Turning Point   
    3.現状ディストラクション  
    4.サクラミツツキ   
    5.Winding Road      
    6.Are You Champion? Yeah!! I'm Champion !!   
    7.STAND UP      
    8.Supersonic      
    9.雨上がりに咲く花      
    10.虹   
    11.16 And Life
    ※初回限定盤A(¥3500(tax in)/AICL2557-2558/DVD付)、初回限定盤B(¥3300(tax in)/AICL2559-2560/DVD付)も同時発売
    ※11月13日にはニューシングル「JUST ONE LIFE」もリリース予定
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    中田裕二

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      温故知新と二律背反が生み出した「音楽的功罪」


      中田裕二(Vo&G)

      プロフィール

      1981年生まれ、熊本県出身。2000年に仙台で「椿屋四重奏」を結成。2003年のデビュー以降、歌謡曲をベースにした新 たなロックサウンドで多くの音楽ファンを獲得。2011年 1 月の突然の解散発表、その後ソロ活動を開始。東日本大震災直後には、被災地・被災者に向けた曲「ひかりのまち」を配信リリース(収益はすべて義援金として寄付)。2011年11月にソロデビューアルバム「ecole de romantisme」をリリース。
      オフィシャルHP
      http://yujinakada.com/
      ライブ情報
      TOUR '13 "INTO THE GALAXY"
      2013.10.5(土) 札幌・ペニーレーン24
      開場17:30/開演18:00


      日本のミュージシャンは演歌を断絶してるような気がするんです。

      中田さんにお話を伺うのは1年ぶりとなります。6月21日には札幌・KRAPS HALLでカヴァーライブ「SONG COMPOSITE 2013」が開催されました。演歌で始まり演歌で終わるという凄まじいステージでした。
      「やっぱり普段のライブとは全然違いますね。「SONG COMPOSITE」は単純に歌うことが好きな人、というイメージです(笑)。今回のセットリストは、基本的にはずっと歌ってみたい曲が中心なんですけど、特に演歌を歌ってみたいなと。演歌を歌えないで「歌謡曲」と言うのは甘いなと思って。自分が演歌を歌うと、どういうアレンジでどういう響き方をするのかというのも気になってましたし、とにかく「心凍らせて」を歌いたかったんです(笑)。」

      ライブを聴かせていただいて、演歌もロックと近いコード進行が多いので違和感なく聴くことが出来ました。ジャンル分けってバカバカしいなって改めて思いました。
      「多分マーティ・フリードマンもそれに気づいてると思うんですけど(笑)。特にヨーロッパのハードロックへ演歌ですから。演歌のアプローチとかアレンジって、人生を表現するには一番説得力があるというか。だからこそあの“こぶし感”や“艶感”があると思うんですが、日本のミュージシャンは演歌を断絶してるような気がするんです。アメリカだとTaylor Swiftもカントリー出身ですし、Lady Gagaもオーセンティックなジャズをやっているわけですよ。そういう古典へのリスペクトを日本の若手ミュージシャンには感じないんです。」

      昔の音楽番組ってアイドルとバンドと演歌歌手が同じステージに立ってましたからね。
      「今では紅白(歌合戦)だけですよね。これだけ演歌が人気があるのに、なぜ演歌がないがしろにされるのかがわからないんですよ。」



      二律背反な人間が生み出すドラマというイメージで「アンビヴァレンスの功罪」というタイトルにしました。

      その中田さんの1年ぶりのアルバム「アンビヴァレンスの功罪」が9月18日にリリースされます。
      「「2nd Al(「MY LITTLE IMPERIAL)」を作った後から、ずっと「アンビヴァレント」という言葉が気になってまして、自分の今まで表現してきた世界観って二律背反だったなと。振り返ってみると、自分が小さい頃から好きだった歌謡曲は全部そうだったんですよ。良い悪い含めてぐちゃぐちゃ混ぜたところに真実が見えてくるというか。人間自体がそういう存在だなと思って、その人間が生み出すドラマというイメージで「アンビヴァレンスの功罪」というタイトルにしました。」

      私が好きな中田さんのロックサウンド…ギターが前面に出ているのが凄く嬉しかったです。もうこれは「演ロック」ですよ(笑)。
      「ギターは多いですね(笑)。自分でミックスしたので、色々な人に聴いてもらうまで正直心配だったんですよ。デモに近い感じなんですよね。でもそこに一番伝えたい音・聴かせたい音があるんです。このフレーズは絶対聴かせたい!というのがわかりやすく入っていると思いますね。」

      個人的に好きな3曲が「MIDNIGHT FLYER」「アンビバレンス」「ユートピア」…完全に傾向が一緒ですね(笑)。
      「わかります(笑)。「ユートピア」のイントロは「太陽にほえろ!」ばりですから(笑)。「ユートピア」は作っている時から「歌謡ロック」って呼んでいたんですけど、自分の中でも本当にリアルな歌謡曲が出来たなと思って。自分が憧れていた70年代のサウンド感…ドラムがデッドでハットの刻みが効いてて、流麗なストリングスにパーカッション…70年代のグルーヴをようやく形に出来たかなと思いました。」

      10月5日・土曜日には札幌・ペニーレーン24でライブがあります。
      「アルバムがロックサウンドなので、どっしりした色気のあるライブにしたいですね。そういうサウンドを聴きたい方にはたまらない一夜になると思います。」

      それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
      「本当に自信作が出来ました。こういうサウンドを作っているのは自分しかいないという自負があります。是非北海道の皆さんにも楽しんでいただければと思いますので、よろしくお願いします。」


      インタビュー後記
      歌心のあるミュージシャンは何をやっても許される。これはある意味音楽的功罪といってもいいだろう。歌謡曲という、人間のドロドロした部分にクローズアップされた楽曲が体に染みついている男である。その男が生み出すもの…それが二律背反(アンビヴァレント)だった。サウンド的には椿屋四重奏時代の、いわゆるロックサウンドに近いが、その緻密なアレンジは70年代…J-POP以前の歌謡曲といって過言ではないだろう。そんな温故知新を感じさせてくれる1枚が「アンビヴァレンスの功罪」。中田裕二のアイデンティティは、このアルバムで完全に確立された。温故知新と二律背反…罪作りなミュージシャンの音楽的功罪は、今の日本の音楽シーンへの強烈な警笛でありアンチテーゼでもある。(橋場了吾)



      「アンビヴァレンスの功罪/中田裕二」
      (2013.9.18発売/¥3000(tax in)/NFCD0002)
      1.TERMINAL 
      2.MIDNIGHT FLYER [album mix] 
      3.ENEMY 
      4.彼女のレインブーツ 
      5.blue morning 
      6.アンビバレンス 
      7.プリズム 
      8.マイ・フェイバリット 
      9.HEROINE 
      10.ユートピア 
      11.旅路 
      12.サンライズ
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      阿部真央

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        「貴方が好きな私」の真実の姿…それが「貴方を好きな私」


        阿部真央(Vo&G)

        プロフィール

        大分県出身。2006年に「YAMAHA TEENS' MUSIC FESTIVAL」に参加し、大分大会で優勝。2008年高校卒業と同時に上京し、ライブ活動を始める。メジャーデビュー前からMy SpaceやiTunes Music Storeなどで注目を集め、2009年アルバム「ふりぃ」でメジャーデビュー。
        オフィシャルHP
        http://abemao.com/
        ライブ情報
        阿部真央 らいぶNo.5
        2013.12.12(木) 札幌・教育文化会館大ホール
        開場18:30/開演19:00


        「貴方を好きな私」は、色々な面がある私が貴方を好きなのよ、という感じのアルバムです。

        阿部さんにお話を伺うのは実に4年半ぶりとなります。当時はまだデビュー直後だったんですよね。
        「この4年間は非常に濃厚で、色々な部分が自分の中でガラガラ変わった時間でしたね。仕事に対する姿勢だったり、メンタル的な部分だったり。ファンの皆さんに支えられながら、アーティストとしての自信もついた4年間でした。一番大きいのはファンの皆さんのライブ会場での笑顔…楽しそうな姿勢ですね。ライブで全国各地の皆さんの顔を見ると、自分がやって来たことは間違ってなくて、これでいいんだなと思わせてもらえるというか、阿部真央の活動を許してもらってるという感じがします。例えば何かうまく行かないことがあって悩むことがあっても、大丈夫だ、何とかなると思えるようになったかもしれないですね。」

        8月28日に5枚目のフルアルバム「貴方を好きな私」がリリースになりました。先行シングルが「貴方が好きな私」だったんですが、助詞一つで意味合いが大きく変わりました。
        「「貴方が好きな私」は独立した曲の世界観として、私が好きなテーマで作った曲で、これはこれで完結しているんです。そのシングルの後のアルバムのタイトルを「貴方を好きな私」にすることで、「貴方が好きな私」はこれだけたくさんの面を持った一人の人間ですよ、というのを1枚のアルバムにしました。色々な面がある私が貴方を好きなのよ、という感じのアルバムにしました。」

        1曲目の「HOPE」のスタートからして名盤の予感がひしひしと伝わってきました。
        「この曲は今年の初めに「貴方が好きな私」と並行して書いたんですが、私の最近のテンションの象徴ですね。人を信じられないとか裏切られるのが怖いというのは、自分が人を信じる努力を怠っているんだなということに最近気づいて、自分が相手を信じられないことで誰かを傷つけたり愛情に気づけなかったりとか、そういう悲しいことが起きているなと感じていたんです。それを去年の年末から今年の頭にかけて特に感じて。なのでもっと感謝しながら、誰のことも悲しませないように、自分が信じる力を持って、愛する勇気を持って、非常にハッピーな前向きな姿勢になった時に出来た曲なので、それがそのまま出ていると思います。なので私も作っている時に、この曲がアルバムの1曲目になればいいなと思っていましたね。」

        リリックもさることながらメロディラインも秀逸です。特にBメロが…。
        「「そうなんです!私もBメロが大好きなんです(笑)。勝手に首が揺れるというか…それは嬉しいですね!」



        「貴方を好きな私」は、皆さんに聴いてもらって、ライブで共有して初めて「いいアルバムだな」と思えるような気がします。

        シングル「貴方が好きな私」(写真)の時点でメロディラインが更に艶っぽくなった印象を受けました。
        「ファルセットを使うことは増えましたね。単純に高い音にフゥって行くのにはまっていて。今回のアルバムはファルセットが多いのは一つの特徴ですね。「貴方が好きな私」に関しては途中で転調するんですが、自分でもこういう曲が書けると思っていなかったので、出来た時は凄い嬉しかったですね。」

        「どこ行った?」「短い言葉たったそれだけその一言だけ」は強烈なギターストロークが印象的な弾き語りですね。そして「Will you save me」は完全英語詞です。
        「アルバムでは続けてやって来たことなので、今回も弾き語りは何曲か入れたいと思っていました。「Will you save me」はサビから出来たんですが、その時に英語だなと思いまして。その後に他のメロディを作っていく時に、このコード感に日本語がはまらなくて…全部英語にしなきゃいけないと思って頑張って訳しました(笑)。今回のアルバムは作り終えた瞬間に「やっと出来た」という感覚が一番なかったアルバムなんです。めちゃくちゃ安産だったというか。制作作業でストレスがなくて、ナチュラルでフラットな状況で出来たので、私としてはいい意味でサラッと聴けるアルバムですね。皆さんに聴いてもらって、ライブで共有して初めて「いいアルバムだな」と思えるような気がします。」

        12月12日・木曜日には札幌・教育文化会館大ホールでライブがあります。
        「去年初めてホールツアーをしたんですが、凄く気持ちよくて、ライブハウスとはまた違った楽しみ方が出来ますね。音も凄く繊細に丁寧に伝わる様な空間なので、ホールでのライブが好きになりました。」

        それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
        「いつも応援していただいてありがとうございます。アルバム「貴方を好きな私」、是非聴いてください。そして12月にライブで阿部真央に会いに来てください、よろしくお願いします!」


        インタビュー後記
        阿部真央さんに初めてインタビューをさせていただいたのが、デビュー直後の2009年。それから4年半の月日が経った。その間にその共感性の高いリリックと攻撃的なサウンドで瞬く間に多くのファンを獲得。今やガールズロックの代表格ともいえる彼女が挑戦的なアルバムを完成させた。その名も「貴方を好きな私」。何ともらしいタイトルだ。とにかく驚かされるのがオープニングを飾る「HOPE」の広がりある存在感。「僕」という一人称が語る、心の底を抉る様な恋愛・友情物語は、阿部真央さんの新たなポテンシャルを感じさせるのに十分な1曲だ。そんな一面が見られたのも彼女をずっと応援しているファンの存在があるからだ。「貴方を好きな私」の「貴方」とは、阿部真央が歌う楽曲聴く者すべてを指しているのかもしれない。(橋場了吾)



        「貴方を好きな私/阿部真央」
        (2013.8.28発売/¥2900(tax in)/PCCA03889)
        1.HOPE
        2.貴方が好きな私
        3.それ以上でも以下でもない
        4.どこ行った?
        5.短い言葉たったそれだけその一言だけ
        6.boyfriend
        7.天使はいたんだ
        8.Will you save me
        9.返して
        M10.怖い話
        M11.最後の私
        M12.愛してる
        ※初回限定盤(¥3400(tax in)/PCCA03888/DVD付)も同時発売
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        「MIDNIGHT FLYER/中田裕二」

        0

          少しの寄り道がもたらしたロックサウンドへの原点回帰


          中田裕二(Vo&G)

          プロフィール

          1981年生まれ、熊本県出身。2000年に仙台で「椿屋四重奏」を結成。2003年のデビュー以降、歌謡曲をベースにした新 たなロックサウンドで多くの音楽ファンを獲得。2011年 1 月の突然の解散発表、その後ソロ活動を開始。東日本大震災直後には、被災地・被災者に向けた曲「ひかりのまち」を配信リリース(収益はすべて義援金として寄付)。2011年11月にソロデビューアルバム「ecole de romantisme」をリリース。
          オフィシャルHP

          http://yujinakada.com/

          れこちゅう!
           ちょっとR&Bテイストだったりヒップホップテイストだったり。
           少しだけ寄り道をしてきたあのシンガーソングライターがゴリゴリのロックに戻って来た。
           中田裕二。ソロになって2年が経過。自身の音楽の原点に回帰したような1曲が「MIDNIGHT FLYER」だ。ストリングスが入っているもののイントロからロックのリズムが心地良い。けだるそうな破滅的なAメロから少しずつ盛り上がって、タイトル通り真夜中を駆け抜けるようなサビに展開していく。
           今世の中を席巻しているセツナEDMのロックバージョンともいうような、中田裕二流のロックのど真ん中がここにある。個人的にはこんな中田裕二の姿を待っていた。(橋場了吾)


          「アンビヴァレンスの功罪/中田裕二」
          (2013.9.18発売/¥3000(tax in)/NFCD0002)
          1.TERMINAL 
          2.MIDNIGHT FLYER [album mix] 
          3.ENEMY 
          4.彼女のレインブーツ 
          5.blue morning 
          6.アンビバレンス 
          7.プリズム 
          8.マイ・フェイバリット 
          9.HEROINE 
          10.ユートピア 
          11.旅路 
          12.サンライズ
          CDの購入はこちら → 【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store


          「What are u waiting for?/FUZZY CONTROL」

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            全世界が待っているワールドスタンダードな圧倒的な「ROCKS」


            《L: JOE(B) JUON(Vo&G) SATOKO(Dr) :R》

            プロフィール

            2003年にシングル「SHINE ON」でデビューしたスリーピースロックバンド。クオリティの高いロックは日本のみならず海外でも評価が高く、アメリカのフェスにも参加している。最近はDREAMS COME TRUEの全国ツアーのサポートミュージシャンとしても活躍中。
            オフィシャルHP

            http://www.fuzzycontrol.jp/

            れこちゅう!
             とにかく圧倒的だ。
             これまでもワールドスタンダードな楽曲を生み出しライブをしてきたFUZZY CONTROLが更に牙を剥き出しにし、恐ろしいまでのハイテンションで迫る1曲を完成させた。
             その名も「What are u waiting for?」。あなたは何を待っているんだ?と問いかける1曲の中でFUZZY CONTROLの出した答えは「恐怖に打ち勝ち走ろうぜ」というものだ。
             実はこれはFUZZY CONTROLのバンドとしての姿勢のように思う。
             ここまでのハイクオリティな楽曲を作っているのに、なかなか世間は認めてくれない。はっきり言って日本で一番過小評価されているバンドがこのバンドなのだ。
             「What are u waiting for?」。私の答えは「FUZZY CONTROLの音楽」だ。(橋場了吾)



            「ROCKS/FUZZY CONTROL」
            (2013.9.4発売/¥3000(tax in)/UMCK1456)1.ROCKS
            2.The way you decide
            3.What are u waiting for ?
            4."wise"
            5.DON’T NEVER STOP
            6.僕のその物語
            7.Lyrics
            8.Jealousy
            9.聞かせてくれないか?
            10.figure out
            11.Burnie
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