ねごと
一音一音へのこだわりが生んだ音楽的進化の証明
《L: 澤村小夜子(Dr) 藤咲佑(B) 沙田瑞紀(G) 蒼山幸子(Vo&Key) :R》
プロフィール
2006年にねごとの前身となるバンドを蒼山幸子、沙田瑞紀、澤村小夜子で結成。2008年1月にねごと結成、初ライブ。その年「閃光ライオット2008」で審査員特別賞を受賞。2010年9月に1stミニアルバム「Hello!”Z”」をリリース。
オフィシャルHP
http://www.negoto.com/
ライブ情報
2013.4.29(月・祝) 札幌・ペニーレーン24
「4」プラス「ねごとを支えてくれている、聴いてくれている皆の存在」…ということで「5」というタイトルにしました。
今日は蒼山さんと澤村さんにお話を伺います。お二人にお会いするのは去年の8月、RISING SUN ROCK FESTIVALのバックヤード以来ですね。
澤村「RISING SUN ROCK FESTIVALというイベント自体が憧れだったんですよ。出演したアーティストさん皆が「これは楽しい!」と言っていたので。なので去年出ることが出来て、お客さんも凄く熱くて、私達も朝までライブを楽しみました。」
去年11月から「nameless」「greatwall」「たしかなうた」というシングルが3か月連続でリリースされて、ついに2月6日に2ndアルバム「5」がリリースになりました。
蒼山「去年1年間、色々な所でライブをやらせてもらったんですが、一番大事にしているその空間で壁にぶちあったことが多くて…。それでこのアルバムには「どうすれば聴いている人たちに自分たちの音楽が届くのか」「どうすればお客さん同士が音楽で繋がることが出来るのか」を悩みながら出来た曲が沢山入っているんです。メンバー4人の存在というよりも、(ねごとの音楽を)聴いてくれている皆に向けて作った曲が多いので、最早数字は「4」じゃないなと思ったんです。「4」プラス「ねごとを支えてくれている、聴いてくれている皆の存在」…ということでプラス「1」で「5」というタイトルにしました。」
収録曲のうち、気になる新曲が沢山ありましたので、曲ごとに伺います。まずは2曲目に収録されている「トレモロ」は頭サビの曲ですがリフレインが中毒性を持っていますね。
蒼山「この曲はもともとAメロ・Bメロ・サビという構成だったんですが、サビの部分のリフレインが出来てからそのメロディを軸に構成を変えました。「トレモロ」という言葉をフィーチャーして作った曲で、アルバムの中で一番エレクトロの要素が入っていますね。ちょっと異世界に行ったかのような、情景が浮かぶような感じが浮遊感に表れていると思います。」
「5」は、私たちがひとつになるためのアルバムでもあったのかなと思っています。
続いて7曲目に収録されている「潜在証明」です。歌詞の中の「△」が謎なんですが…。
澤村「以前は多くの曲をまずギターの(沙田)瑞紀が曲を作って、それに(蒼山)幸子が歌詞とメロディを乗せていく、という形で作っていたんですが、今は皆で色々な作り方をしています。この曲は私が中心になって歌詞も曲も作ったんですが、メロディを作っている時に、オケを聴きながら駅のホームを走っていて「人波をかいくぐる自分、疾走感があっていいな」みたいな(笑)。ほとんどその時に思いついたメロディなんです。その後歌詞を作ったんですが、これは私がねごとに宛てて書いた歌詞で、4人が集まって同じ時期に同じ風景を見て同じ使命を背負って今バンドをやっているんですが、これから残す足跡やこれから見ていくものが一緒なことというのは凄い奇跡的だなと思うんです。そういうのを表したなと思って「△」がキーポイントになっているんですが、目標や理想に近づきたい・掘っていきたいという意味…4人でどんどん進んでいきたいなと思って、「熱い呼吸はいつまで続くだろう」という歌詞を書きました。」
蒼山「今回のアルバム全編を通してなんですが、4人がひとつにならないと聴いてくれている人に届かないということもアルバムを作りながら感じたんですよね。なので曲もアレンジが難しかったり(苦笑)、4人がひとつにならないと出来ない曲が多いんです。「潜在証明」は衝動的に作った曲ですが、(澤村)小夜子が作ってくれた歌詞に、無意識に皆で進んでいきたいという気持ちが込められたりしていて、私たちがひとつになるためのアルバムでもあったのかなと思っています。」
そして3月&4月の【SAPPORO MUSIC NAKED】の推薦曲にもさせていただく「そして、夜明け」です。ねごとが「大人になったなあ」と一番感じた曲です。
蒼山「この曲はアルバムのための新曲制作の中で出来た1曲で、凄くトラックが抒情的ですよね。それが異世界ではなくて普段いる世界の街角という感じがして、そこから歌詞を作ったんですが初めてベースの(藤咲)佑が書いています。夜明けって嬉しいものですし清々しい気持ちで迎えるものだと思うんですけど、やらないといけないことが残っているとちょっと怖いものだと思うんですよね。その焦っている感じや、それでも明日を迎えたいという希望に向かっている感じの両方を出したいという話をしていて、とてもトラックとマッチした歌詞になったと思います。演奏は難しいんですけど(笑)、その難しさも楽しいので、ライブでどんどん化ける曲だと思いますね。」
サウンドメイキングの凄さが出た曲といえば、本編のラストを飾る「flower」ですね。
蒼山「ねごとの普遍的な部分が表れている曲というか、ちょっとひねくれていてファンタジックで、でも心に飛び込んでくるような温かいメロディというか近くにいるような感じがする、そのバランス感というのはこれからも大事にしていきたい部分なんです。よりファンタジックな場所に導入するために、もともとあった曲に長い間奏を加えました。」
澤村「組曲とまで言われています(笑)。拍子も最初が10で、次が5で3で2でと自分たちでもわからなくなりそうなくらいなんです(笑)。」
蒼山「ライブでは間奏をもっと長くしても面白いと思っています。」
- 一緒にいい夢を見たいので是非ライブに遊びに来てください!
4月29日・月曜日に札幌・ペニーレーン24でライブがあります。
蒼山「「5」というタイトルを本当に実現出来るのはライブだと思っています。お客さんと繋がりたいという気持ちを伝えてはいるんですけど、ツアーに出てこそ完成するアルバムだと思っているので、一つ一つ丁寧に気持ちを投げていきたいです。札幌はツアーの終盤なので、かなり成長したというかお花が咲いた状態で迎えたいと思いますね。」
それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
澤村「北海道に来るのはいつも楽しみで、またライブでやって来ますので、沢山の人にライブに来てほしいと思っています。4月29日、ペニーレーン24で待ってます!」
蒼山「ライブに来てもらえたら、今の私たちが最高の状態…本当に胸を張って「5」をリリースしたんだということが伝わると思います。一緒にいい夢を見たいので是非ライブに遊びに来てください!」
ねごとの皆さんに初めてインタビューをさせていただいたのは2年以上前。ちょうど1stミニアルバムリリース前のタイミングだった。当時は物静かな女の子、というイメージだったのだが、この2年強の充実度を示すかのように音楽に対して貪欲な姿勢でインタビューに応じてくれた。とにかく作品に対する自信と、そして間違いなく傑作といえるアルバム「5」の内容が、ねごとの音楽的進化の証明となっている。実は今回、数十名という限定ながらアルバム視聴会を行い、そこでもMCをさせていただいたのだが、一音一音へのこだわりの話は聴き応えがあった。そんな彼女たちが3月に全員が学校を卒業、音楽へ専念する。これからが更に末恐ろしいバンド・ねごとの進化を聴き届けたい。(橋場了吾)
「5/ねごと」
(2013.2.6発売/¥3059(tax in)/KSCL2198)
1.greatwall
2.トレモロ
3.sharp ♯
4.nameless
5.たしかなうた
6.街
7.潜在証明
8.メイドミー…
9.Re:myend!
10.そして、夜明け
11.Lightdentity
12.flower
13.SEED with groove(BONUS TRACK)
※初回限定盤(KSCL2197/¥3500(tax in))も同時発売
CDの購入はこちら → 【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store
- 2013.01.28 Monday
- MUSIC NAKED(ハダカの告白)
- 20:00
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- by Ryogo Hashiba