カーネーション

0

    瑞々しさと濃厚さが交錯した「SWEET ROMANCE」という誘い


    《L: 直枝政広(Vo&G) 大田譲(B) :R》

    プロフィール

    1983年12月 「耳鼻咽喉科」を前身に「カーネーション」結成。当時からのオリジナルメンバーは、直枝ひとり。1984年 シングル「夜の煙突」でレコードデビュー。以降、数度のメンバーチェンジを経ながら、時流に消費されることなく、数多くの傑作アルバムをリリース。練りに練られた楽曲、人生の哀楽を鋭く綴った歌詞、演奏力抜群のアンサンブル、圧倒的な歌唱、レコードジャンキーとしての博覧強記ぶりなど、その存在意義はあまりに大きい。来年結成30周年を迎える。 
    オフィシャルHP
    http://www.carnation-web.com/
    ライブ情報
    2012.11.17(土) 札幌・COLONY
    2012.11.18(日) 旭川・カジノドライブ

    この3年間はツアーをやりながら色々工夫して、身体を作って来たという感じです。 

    直枝さんにお話を伺うのは3年ぶりとなります。カーネーションにとってこの3年間はどのような時間でしたか?
    「二人体制になって様々なことを見直す時期に来ていたので、ライブにしてもドラマーやサポートメンバーのことを考えながら作らなければならなかったですし、色々と時間がかかりました。でも、とにかく数多く人前に出て演奏し、工夫して、身体を作って来たという感じですかね。」

    その間にミニアルバム「UTOPIA」(2011.11リリース)がリリースされました。この中に「女川」という東日本大震災に関連した1曲があって、凄く印象に残っています。
    「僕はルーツが東北なので、余計に色々なことが辛くて大変な思いをしました。震災後の4月ですかね、渋谷のとあるバーでレピッシュのtatsuと梅津和時さんと3人でセッションしたんですが、その時梅津和時さんが「東北」という曲を持って来ていたので、「僕はお客さんの前で1曲作ります」と言って出来た曲なんです。昔、石巻を旅をした時に牡鹿半島の浜辺で遊んだことがあったのですが、鳴き砂の白い浜辺のイメージがその時降りて来たんです。そのメロディに「女川」と名付けました。そのちょっと前の話になりますが、震災直後のソウル・フラワー・ユニオンに誘われたイヴェントが印象深いですね。懸命にやったのですが、どうしても固かったですね。ぼくらもお客さんも。でもそういう時なのに、ソウル・フラワーの態度が立派でね、人の気持ちを和らげたり、持ち上げたりがとても上手でした。その姿を見て音楽って凄いなと思いました。本当、泣けてきてしばらく楽屋から出られませんでしたね、あの日。」

    そういうことがあったんですね…。
    「アルバムを制作しないといけなかったんですが、状況を見渡しても、それはまだちょっと無理かなと。ただ僕たちは止まることが出来ないので『UTOPIA』という心象のドキュメンタリーのような形でミニ・アルバムを作りました。」

    それから1年弱…9月19日に「SWEET ROMANCE」というアルバムがリリースされましたね。
    「1曲目の「Spike & Me」という曲の歌詞の一部がタイトルになっているんですが、これが今回一番押し出したい色彩かなと。いわば閃きですね。このタイトルを決めて物事を進めていくうちに、とてもいいタイトルだ、これが本当にやりたかったことだという世界をパッケージング出来ました。凄く音楽的な言葉だと解釈していますが、あらゆる気持ちを込めることが出来るキーワードですね。」



    「SWEET ROMANCE」は自分でも何度も聴きたくなるアルバムになったと思っています。

    大人のミュージシャンがジャンルを超えてロックで再構築するとこういう音楽になるんだろうなと思いました。
    「色々な曲が入っていますが、1枚のアルバムの中に筋が通っているような気がします。物語も感じますし、ようやく自分でも何度も聴きたくなるアルバムになったと思っています。僕は“音楽の妖精たち”と呼んでいるんですが、ここ数年で出会った色々な方々が僕らのの庭で音楽を奏でてくれて、出来上がりも凄く新鮮でした。」

    2曲目の「I LOVE YOU」は古い楽曲なんですよね。
    「これは20年前に「天国と地獄」というアルバムを作った時にデモであったんですが、レコーディングされなかったんです。今年の5月に「天国と地獄」の20周年記念で再現ライブというのをやった時に、アイディアが湧いて、未発表曲だけれども今こういう楽曲もいいんじゃないのかなと思って改めてデモを作りました。そうしたら大田(譲)君にも「若々しくていいよ」と言われまして(笑)。」

    このお話を知らなければ最近作られたと思わせるような瑞々しさを感じました。
    「基本、本質は何も変わってないです。曲を作り始めた中学生の頃から何も変わってない感じなんですよ(笑)。あと、なんでこんなにバンドを長く続けていられるのかと、よく聞かれるんですが、いいアルバムを作りたいんですよ。心から納得のいくものを。だから続けてるんですよね。アイディアはとことん放り込みたいですね、20年・30年・50年持つ音楽にしたいと思っています。」

    個人的に大好きなのが「Gimme Something,I Need Your Lovin'」です。削ぎ落とされたシンプルさが印象に残りました。
    「これはトリオでやってるんですけど、僕はギターのカッティングだけで押してますね。レコーディングもほぼ一発録りで、活きのいいところを残しました。」

    11月17日・18日に北海道でライブがありますね。
    「4人組でドラムに張替智広くん、キーボードに藤井学くんに入ってもらいます。アルバムがカラフルでアイディアに満ちた内容ですし化けてくると思うので、もう一つの「SWEET ROMANCE」が表現出来ると思います。」

    それでは最後に北海道のファンにメッセージをお願いします。
    「北海道の方の内に秘めた熱さを昔から感じています。「SWEET ROMANCE」は最大の自信作なので是非聴いてもらいたいと思います。そしてライブでお会いしましょう!」


    インタビュー後記

    実に3年ぶりに直枝さんにお会いした。その気さくな人柄に触れ、長くミュージシャンとして一線で活躍している方の素晴らしさを再認識。音楽への思いはその活動の長さと反比例しているかの如く貪欲で瑞々しい。9月19日にリリースされたアルバム「SWEET ROMANCE」の中の1曲「I LOVE YOU」はなんと20年前の楽曲だ。その楽曲を現在のカーネーションが最新のサウンドで奏でてしまう…こんな元気なベテランがいるのだから日本の音楽シーンの奥深さは底なし沼のようだ。物凄く若くて濃厚な「SWEET ROMANCE」…濃密な本物の音楽を体感してほしい。(橋場了吾)

    「SWEET ROMANCE/カーネーション」
    (2012.9.19発売/¥2800(tax in)/PCD18684)
    1.Spike & Me
    2.I LOVE YOU
    3.In Dreams
    4.なんかへん
    5.Station
    6.Bye Bye
    7.Gimme Something, I Need Your Lovin'
    8.口笛ふいて
    9.UTOPIA
    10.未来図
    11.遠くへ
    12.Bye Bye(Reprise)
    ※初回限定盤(¥3200(tax in)/PCD18686-7/2CD)も同時発売
    CDの購入はこちら →
    【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store


    NIKIIE

    0

      自分を肯定し受け入れることで反応した「CHROMATOGRAPHY」


      NIKIIE(Vo&Key)

      プロフィール

      3歳の時にピアノを習いたいと両親に懇願し、4歳でピアノ教室へ。周りと馴染めない混沌とした日々の中、ピアノと音楽に癒され育つ。自己表現として、16歳の夏に作詞・作曲・バンド活動を始め17歳からソロ活動を開始。高校卒業後、茨城から上京しライヴを中心に都内で活動。2010年12月1日、シングル「春夏秋冬」でデビュー。 
      オフィシャルHP
      http://nikiie.com/
      ライブ情報
      2012.9.30(日) 札幌・HMV札幌ステラプレイス

      ピアノは親友みたいで兄妹みたいで、親みたいで…とても大切な存在になっていたので離れずにここまで来た感じです。。 

      まずはNIKIIEさんの音楽遍歴を伺いたいんですが、資料によると「3歳の時にピアノを習いたいと懇願し…」とあります。
      「3歳の時に、お兄ちゃんの保育園にお母さんと迎えに行ったんです。その時に先生が弾いていたアップライトピアノを見て、「何でこんな黒い箱から音が出るんだ!」と衝撃を受けて、それからピアノを弾きたいと思うようになりました。そこから1年お願いし続けて、4歳になった時にピアノ教室に通い始めました。一番最初に教室に行った時の記憶が鮮明なんですが、ピアノはいきなりスラスラ弾けるものだと思っていたので、ピアノを弾いている人のイメージのまま触ってみたら凄い不協和音が鳴って(笑)。そこで挫けそうになったんですが、練習して弾けるようになりたいという気持ちも強くなりました。でも小学校時代はレッスンの時間が、皆の見ているアニメの時間とかぶっていたので、次の日話についていけないんです。それがイヤでピアノ教室に行きたくない時期もありましたし、思うように弾けなくて挫折寸前の時もありました。そういう波もあったんですが、私には音楽しかないと思っていましたし、ピアノは親友みたいで兄妹みたいで、親みたいで…とても大切な存在になっていたので離れずにここまで来た感じですね。」

      ご自身で作詞・作曲をしようと思ったタイミングはどのようなものでしたか?
      「もともと通っていたピアノ教室がクラシックだけではなく、ポップスとかも出来る教室だったんですよ。なのでポップスのベースはあったんですが、中学時代に自分を何で表現したらいいのか迷っていた時期があって、そのまま高校生になったんです。そうしたら友達に自分で作詞・作曲をしてバンドを組んでライブをしていた子がいて。その子のライブを見た時に「私にも出来たはずなのに」と後悔して、そこから必死に曲を書き始めました。当時は基本暗い曲ばかり書いてましたね(笑)。歌詞も「いつかこの気持ちは報われるんだろうか…」みたいな。で、友達に初めて自分の書いた曲を聴かせた時に反応が微妙で…。それでどうやったら自分の思いにナチュラルに共感してもらえたり、上手く伝えるのはどうしたらいいのかと思って、また勢いづいて曲を書いていましたね。」

      NIKIIEさんとの初めての出会いはデビュー前のコンベンション(メディア向けのミニライブ)でしたね。
      「初めてのコンベンションライブで、大阪から始まったんですよね。スタッフからは「普通にライブしていいよ」と言われていたんですけど、皆さん腕を組んでる感じで(笑)。MCで語りかけても「シーン」みたいな(苦笑)。なので最初は落ち込んだんですけどだんだんタフになっていって、札幌がラストのコンベンションだったので、最後は楽しくやろうと思いました。そうしたら皆さん優しくて、札幌はいいところだと感じました(笑)。」



      「CHROMATOGRAPHY」ではより自分の深いところに迫ったダークサイド…本音の部分を抉って歌える曲を選びました。

      そのコンベンションから2年…この2年間はどのような時間でしたか?
      「あっという間という気もしますし、まだ2年しか経っていないのかと思うこともありますし…普通の時間の感覚とは違いましたね。初めての感覚の2年間で凄い濃かったです。最初は自分の手から音楽がいつ離れていってしまうかもしれないという不安から音楽にしがみついている感じだったんですけど、デビューしてからは音楽が自分の日常の一部というか、より密接な時間が増えたので、その戸惑い・葛藤もありましたね。そして音源化された私の曲を聴いてくれる人がいて、色々な感想をもらって勇気づけられてまた一歩進むという、その繰り返しの2年間でした。」

      9月19日にミニアルバム「CHROMATOGRAPHY」がリリースされましたね。
      「「hachimitsu e.p.」(4月11日リリースのミニアルバム)を制作している段階で、次のミニアルバムの構想があったので、迷いなく進んでいった感じです。「hachimitsu e.p.」はポップでキャッチーに振り切って私にとってのサニーサイドを表現した作品だったので、次の作品はより自分の深いところに迫ったダークサイド…本音の部分を抉って歌える曲を選びました。タイトルは全曲揃ってから決めたんです。なかなかタイトルが決まらなくて、全曲の歌詞を読み返した時に「自分のことを否定するのではなくて肯定すること、受け止めて前に進んでいくことが出来るようになって初めて、人のことを受け止められたり愛したり大切に出来たりする」という実感を込めた1枚だったので、その自分との向き合い方がCHROMATOGRAPHY…物質を分離して精製するという化学用語とリンクしているなと思ってこのタイトルにしました。」

      1曲目の「Duty Friend」からサックスでスタートするので「本当にNIKIIEさんの新曲なの?」と思うような1枚でした。私が個人的に大好きなのは「Running Bird」で、サビのメロディ、歌詞の内容共に特にお気に入りです。
      「アレンジの面でも1曲1曲でチャレンジをしていて、「Duty Friend」でいうとジャジーなコードの積み重ねで、ファンクのリズムに乗ってというアレンジをしたことがなくて、アンニュイな歌詞だったりもともとのリズムが持っているものに忠実に合わせていきました。「Running Bird」は覚悟を決めて自分の弱い姿のままでも目的としている場所へ到達出来るんだという、普通だったらなかなか出来ない決断に踏み込んでいく強さを持った楽曲なので、引力がある1曲だと思います。」

      9月30日・日曜日にはHMV札幌ステラプレイスでインストアライブがあります。北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
      「札幌では初のインストアライブです。自分が今感じていることを一生懸命歌っていきますので、これからもよろしくお願いします。ミニアルバム「CHROMATOGRAPHY」、聴いてください!」 


      インタビュー後記

      2年前、メジャーデビュー直前のNIKIIEさんがコンベンションで演奏した「幻想フォルム」の衝撃はいまだに忘れられない。強い鍵盤音に乗る透明感のある歌声がどのように進化を遂げていくかと思っていたが、その進化は想像以上に早かった。9月19日にリリースされたミニアルバム「CHROMATOGRAPHY」では、これまでのNIKIIEさんとは一味も二味も違う世界観が提示されている。心の奥底に迫るリリック、切ないメロディ、アダルティなアレンジ…どれをとってもNIKIIEというアーティストの進化を感じるはずだ。自分を肯定し受け入れることで起こった「CHROMATOGRAPHY」という反応。我々リスナーの心にも化学反応が起きている。(橋場了吾)


      「CHROMATOGRAPHY/NIKIIE」
      (2012.9.19発売/¥1680(tax in)/COCP37574)
      1.Duty Friend
      2.Running Bird
      3.光の月
      4.Everytime
      5.harmonic harmonist
      ※初回限定盤(¥2100(tax in)/COZP709-710/DVD付)も同時発売
      CDの購入はこちら →
      【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store 


      中田裕二

      0

        制限なき音楽制作で築き上げた「MY LITTLE IMPERIAL」


        中田裕二(Vo&G)

        プロフィール

        1981年生まれ、熊本県出身。2000年に仙台で「椿屋四重奏」を結成。2003年のデビュー以降、歌謡曲をベースにした新 たなロックサウンドで多くの音楽ファンを獲得。2011年 1 月の突然の解散発表、その後ソロ活動を開始。東日本大震災直後には、被災地・被災者に向けた曲「ひかりのまち」を配信リリース(収益はすべて義援金として寄付)。2011年11月にソロデビューアルバム「ecole de romantisme」をリリース。 
        オフィシャルHP
        http://yujinakada.com/
        ライブ情報
        2012.10.18(木) 札幌・ペニーレーン24

        「MY LITTLE IMPERIAL」には、自分の城を構えてそこからどんどん突き詰めたものを世の中に送り出していきたいという意味を込めました。 

        中田さんにお話を伺うのはおよそ2年ぶり…椿屋四重奏が解散する前でした。
        「もう結構経ちましたね…。ソロ活動を始めてからはもうどうしていいかわからない感じでした、正直。とりあえず「ひかりのまち」を配信で出して、その後「SONG COMPOSITE」というカヴァーのツアーをやって、1stアルバム(2011.11リリース「ecole de romantisme」)を作ったんですけど、あの時はコンセプトというよりは早く活動を始めなきゃ、ということと、世の中も重苦しいことがあったので、温かい歌を届けたいなというのがありましたね。そのツアーを回っていく中で、どんどん勘が戻って来て、創作意欲が湧いてすぐにレコーディングに入りました。」

        ノンストップで音楽と向き合っている感じですね。
        「やっぱり解散でリセットされたんですよ。最初の1年は手探りで、今は俄然やる気モードに入りましたね。一人でやるのも慣れてきたというか、自分にとって自然なことになってきました。」

        曲作りに関しては変化はありましたか?
        「作業的には変わらないんですけど、前は曲作りの大前提としてバンドのメンバーが演奏する、という意識が常にあったんですよね。なのでそのイメージで曲を書いていたんですけど、今は誰が演奏するとかいうのを考えずに、湧いてきたイメージをそのまま音に出来るので、プロセスが一つ省かれてよりイメージのまま音になっている感じですね。」

        9月19日にソロ2ndアルバム「MY LITTLE IMPERIAL」がリリースされましたね。
        「コンセプトはあまり立てずに、ちょっと伸び伸びと音楽を楽しんでみようというか、自分のやりたかったことをとことんやってみようというところからのスタートでした。タイトルには一人になってレーベルも立ち上げたので、これから自分の城を構えて、そこからどんどん突き詰めたものを世の中に送り出していきたいという意味を込めました。それと自分の狭い世界で完結してしまう、今の世の中への皮肉でもありますね。」



        色っぽい音じゃないと聴きたくないんですよ、自分の好みとして。

        ソロアーティスト・中田裕二の個性が完全に確立されたと思います。とにかくセクシーなアルバムです。
        「色っぽい音にしたいなというのは常々考えていますね。色っぽい音じゃないと聴きたくないんですよ、自分の好みとして。ノリの作り方も「前に前に」よりも「後ろに後ろに」引っ張っていくというか。今回は特にソウル・ミュージックの影響が強くて…ソウルはエロス・ミュージックじゃないですか。そういう部分もあると思いますね。」

        北海道では「デイジー」が人気だそうですね(笑)。かくいう私も大好きな曲なんですけど。
        「取材の先々で「デイジー」とおっしゃっていただいています(笑)。歌詞は「こういう曲を書こう」というのはなくて、メロディに導かれたままだったんですよね。メロディが出来た時に映像が出て来て、何となくストーリーが見えるんですよ。「デイジー」でいうと、若い男の子と女の子の激しくも悲しい青春の恋で曲を書いてみようと。「10代感」を持った曲というのがあまりなかったので、僕なりの青春ソングなんですよね。全力で求めあうけど不器用だから壊しちゃったりするじゃないですか、それっていいなと思って。もう忘れちゃったよな、みたいな(笑)。どっちかというと背伸びしたひねくれた青春かもしれないですけど(笑)。」

        10月18日・木曜日には札幌・ペニーレーン24でライブがあります。
        「全国ツアーの初日です。初々しい感じです。「MY LITTLE IMPERIAL」はバラエティ豊かな楽しめる作品になってるので、その感じをそのままライブに反映させたいなと思っています。間違いなく楽しいことになると思います。」

        それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
        「非常に自信を持ってお送り出来る作品が出来たと思いますので、北海道の皆さんにも「MY LITTLE IMPERIAL」ワールドをご堪能していただいて、そして是非ライブの方に足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします!」


        インタビュー後記

        やはり中田裕二さんの発散するオーラは凄い。ゆっくりお話しさせていただいたのはおよそ2年ぶり、椿屋四重奏が解散してからは初めてだ。その間、ソロアーティスト・中田裕二として音楽活動をしてきた結果行き着いたのが、9月19日リリースの「MY LITTLE IMPERIAL」。更なる色気がリスナーを魅了すること間違いなしのこの1枚で、中田さんのソロアーティストとしての個性が完全に確立した。自信と努力で築き上げた「MY LITTLE IMPERIAL」、この“音楽の帝国”を少しでも多くの人に体感してほしい。(橋場了吾)


        「MY LITTLE IMPERIAL/中田裕二」
        (2012.9.19発売/¥3000(tax in)/NFCD0001)
        1.MY LITTLE IMPERIAL
        2.DANCE IN FLAMES
        3.デイジー
        4.FUTEKI
        5.灰の夢
        6.ノスタルジア
        7.UNDO
        8.春雷
        9.話をしないか
        10.女神のインテリジェンス
        11.セレナーデ
        12.静寂のホリゾント
        13.つかずはなれず
        CDの購入はこちら →
        【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store


        SPYAIR

        0

          ミュージックシーンの“天下布武”を目論む5人の侍の覚悟


          《L: MOMIKEN(B) KENTA(Dr) IKE(Vo) ENZEL☆(DJ) UZ(G&Pro) :R》

          プロフィール

          愛知県出身5人組ロックバンド。インディーズ時代にストリートライブでキャリアを重ね、2010年6月の100本目のライブでは2000人を集めた実力派。同年シングル「LIAR」でメジャーデビュー。そのパフォーマンスは2011年7月に出演した韓国最大の野外フェス・ジサンロックフェスティバルでも大評判になった。2011年リリースの1stアルバム「Rockin' the World」はオリコンウイークリーチャートTOP10内8位、韓国のJ-POPチャートでは1位を記録。2012年7月、JOIN ALIVE 2012出演、初の北海道夏フェスも経験。来る12月18日、日本武道館公演を開催。
          オフィシャルHP
          http://www.spyair.net/

          「Naked」でいることは凄く難しい…でもSPYAIRは「Naked」でありたい、と思っています。

          IKEさんにお話を伺うのは5か月ぶりになります。改めて7月22日に出演されたJOIN ALIVEの感想をお願いします。
          「JOIN ALIVEは今年の夏フェスの最初でしたし、JOIN ALIVEに出ること自体初めてだったんですが、「FUTURE FLOWER」は、メインステージと他のステージの間にあるステージで、俺らの原点である(名古屋の)栄公園で野外でやっていた頃の「俺らの音楽を聴いてくれよ、見てくれよ」というような意思がないと皆を集めることが出来なくて、昔の気持ちを取り戻させてくれましたね。野外ってこういう場所だよね、という心地良い原点に似た感じがしました。」

          IKEさんがステージに出て来た時のオーラが凄かったです。ステージに収まりきらない大きなライブでした。
          「そうですか?(笑)嬉しいですね。MCでも言ったんですけど、来年はメインステージでやりたいのであのステージに収まるつもりはないという気持ちでやりました。」

          9月5日にニューシングル「Naked」がリリースされました。
          「「Naked」の意味としては自然体の自分・本当の自分・ありのままの自分をさらけ出したいという意味でこのタイトルをつけたんですよね。それが一番、人にとって素敵なことだと思うんですが、全部をありのまま伝えてしまうと、人を傷つけてしまったり誤解をされてしまったり…「Naked」でいることは凄く難しいことだと思うんです。でもSPYAIRは「Naked」でありたい、という思いを歌っている曲です。出来れば自分たちで壁を作らず、全部伝えたいですからね。」

          イントロのメジャーコードはびっくりしましたが、2コーラスあけのブリッジに陰なSPYAIR節がしっかり入っていますね。
          「それはSPYAIRらしさですよね(笑)。曲全体が凄く明るく仕上がっている分、その部分が引き立つというか。基本的にSPYAIRは陰な部分を持っているバンドだと思うので、「♪ドアの向こうへ〜」の部分は今までのSPYAIRがわかりやすく表現されているかなと思います。」



          今の自分たちが一番大切にしなくてはならない言葉…「Just Do It」をそのままアルバムタイトルにしました。

          そして9月19日に2ndアルバム「Just Do It」もリリースされましたが、SPYAIRの音楽性の幅広い部分が見事に収録されていると感じました。
          「まさに「Naked」…ありのまま、というコンセプトが「Just Do It」というアルバムの主軸になっていて、サウンド面でもいらないものを削ぎ落として大事な部分を残した「Naked」な音を純粋に表現していると思います。今の自分たちが一番大切にしなくてはならない言葉をそのままタイトルにしました。コンセプトをそのまま表現すると「Naked」かなと思うんですけど、日本武道館(12月18日・火曜日)が控えている僕らの状況を考えた時に、色々悩むことも不安になることもあるんです。でも「やるしかないだろ!」という気持ちが大切だと思って、このアルバムタイトルにしました。今回のアルバムは歌詞の内容にしても曲のバリエーションにしても、凄く幅を持たせられたと思っていて、俺らはロックバンドですけどあらゆるロックをやりたい…ジャンルにこだわらず、“ジャンル・SPYAIR”という気持ちで。1曲目から12曲目まで色々な感情を込められたと思います。全曲聴いていただいてまた1曲目に戻ってほしいんですよね。最後には「Just Do It」…「やるしかない」という答えに行き着くと思うので、このアルバムをリピートをかけて聴いてほしいですね。」

          「Break Myself」という曲は4月に行われたワンマンライブで聴かせていただいていますね。
          「よく覚えてますね!(笑)このアルバムの中でもSPYAIRの伝統芸的1曲ですね。僕らの根っこにあるのはハードロック・ヘヴィロックなので、原点を表現している軸になっている曲だと思います。こういうヘヴィでラウドな部分は失いたくないですし。」

          私が個人的に一番のお気に入りの曲が「U & I」です。イントロから名曲の予感があったのですが、構成も歌詞も素晴らしい1曲だと思います。
          「この曲はSPYAIRとしては一つのチャレンジだったんです。俺はこの曲に物語が始まる様な雰囲気を感じていて、明るいこと答えのあることではなくて、迷っていること・不満を感じていること…光が見えていないという、このアルバムの中では一番陰に耽っている曲なんですが、本当に愛しい人について歌っている曲なので「U & I」というタイトルがついています。サウンド的にもハイハットから始まってバンドの一つ一つの音が少しずつ聴こえてくる感じも、東京に出たからこそ歌えたフレーズも入っているので、皆さんにも聴いていただきたい1曲です。」

          そういえば以前のインタビューで「何回聴いても飽きない本物のアルバムを作りたい」とおっしゃっていたのを思い出しました。
          「そのコンセプトは前作の「Rockin' the World」も「Just Do It」も変わっていませんが、「Just Do It」ではより届きやすいものは何かを考えて、音を引いていくことで、より人間味を出していこうと思ったんです。俺らはバンドですし、人間の感情を伝えることが大事だと思って。「名盤」を作りたいという思いが根っこにあるので、それを引き継いでアルバムを制作しました。」

          12月18日・火曜日には日本武道館でライブがあります。
          「凄い意識をしていますし、武道館でどういうライブが出来るのかを日々想像しています。セットリストも含めて、より皆に届くような環境を作っていこうと思っています。聴くところによると、武道館のステージはお客さんの声が“降ってくる”感じらしいんです。そういうのも想像しながら、音楽を使って楽しい空間を作りたいと思います。」

          それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
          「北海道の皆さん、いつも聴いてくれてありがとうございます。今回「Just Do It」というアルバムを出しましたので、次は生でこの音楽を届けたいと思っています。これからも是非よろしくお願いします!」


          インタビュー後記
          SPYAIRというバンドは本気で日本のミュージックシーンの天下を取ろうとしている。その本気度が伺える作品が9月19日にリリースされた2ndアルバム「Just Do It」だ。直訳すると「やるしかないだろ!」と名付けられたこのアルバムには全12曲が収録されているが、本当にクオリティの高い楽曲がズラリと揃った。その中でもシングルカットされた明るさの中にもSPYAIR的切なさで切り込む「Naked」、SPYAIR流ヘヴィロック「Break Myself」、そしてイントロからアウトロまで完璧に練り込まれた「U & I」は本作のハイライト。とにもかくにも凄まじい“名盤”を産み落としたSPYAIR。12月に日本武道館に到達する彼らの覚悟をしかと受け止めたい。(橋場了吾)

          (追記)
          SPYAIRを常々盛り上げて来たENZELさんが、日本武道館公演を最後にSPYAIRを脱退することを発表しました。ライブでの彼の存在感は凄まじかっただけに残念ではありますが、この真面目を絵に書いたようなバンドが出した結論を尊重すべきなのでしょう。一人も多くの方に、日本武道館で最後の雄姿を目に焼き付けてほしいと思います。


          「Just Do It/SPYAIR」
          (2012.9.19発売/¥3000(tax in)/AICL2429)
          1.Just Do It
          2.Rock'n Roll
          3.0 GAME
          4.My World
          5.Little Summer
          6.No where, Now here
          7.Stay gold
          8.Break Myself
          9.Naked
          10.U & I
          11.I want a place
          12.Raise Your Hands
          ※初回限定盤A(¥3700(tax in)/AICL2425-2426/DVD付)、初回限定盤B(¥3700(tax in)/AICL2427-2428/2CD付)も同時発売
          CDの購入はこちら →
          【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store


          「シュプレヒコール/RADWIMPS」

          0

            「うそつき」という四文字から生まれた「命の刑期」という最終解釈


            《L: 野田洋次郎(Vo&G) 桑原彰(B) 武田祐介(B) 山口智史(Dr :R》

            プロフィール

            2002年に横浜で結成された4人組ロックバンド。2005年にシングル「25コ目の染色体」でメジャーデビュー。RADWIMPSとは「かっこいい弱虫。見事な意気地なし。マジスゲーびびり野郎」の意味。
            オフィシャルHP
            http://www.radwimps.jp/

            れこちゅう!
             実に1年5か月ぶりの作品である。ファンならずとも待ちに待った作品であることには間違いない。そこに野田洋次郎という、今「考えさせる詞」を書かせたら稀代の名手が、「うそつき」という四文字について鋭い洞察を表現したのが「シュプレヒコール」である。
             そもそも「シュプレヒコール」とは集団がある言葉を合唱する、という意味である。そういう意味では「うそつき」という言葉を我々人類が数千年に渡って繰り返し合唱してきたという、あまりにも深すぎる解釈も出来る。
             そしてそれが人生という「命の刑期」に置き換えられ、野田洋次郎による「うそつき」の最終解釈が提起されている。
             我々が今後どのような精神性を持って「命の刑期」を終えるのか、RADWIMPSはまたしても「考えさせる詞」と、これまでの活動を凝縮したかのようなサウンドを持って、時代に挑戦した。(橋場了吾) 


            「シュプレヒコール/RADWIMPS」
            (2012.8.1.発売/¥980(tax in)/TOCT45051)
            1.シュプレヒコール
            2.独白
            3.22:20:12:5:14:2012
            ※初回限定盤(¥1050(tax in)/TOCT45050/紙ジャケット仕様)も同時発売
            CDの購入はこちら → 【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store 


            | 1/2PAGES | >>

            calendar

            S M T W T F S
                  1
            2345678
            9101112131415
            16171819202122
            23242526272829
            30      
            << September 2012 >>

            Info

            Twitter

            Facebook

            Amazon

            Info

            selected entries

            categories

            archives

            recent comment

            recommend

            recommend

            recommend

            recommend

            links

            profile

            search this site.

            others

            mobile

            qrcode

            powered

            無料ブログ作成サービス JUGEM