Nothing's Carved In Stone
ディティールへのこだわりに見える職人バンドの「Pride」
《L: 大喜多崇規(Dr) 生形真一(G) 村松拓(Vo&G) 日向秀和(B) :R》
プロフィール
2008年、ELLEGARDENの活動休止をきっかけに生形真一がストレイテナーの日向秀和に声をかけたのがNothing's Carved In Stoneの始まり。日向の紹介でFULLARMORで共に活動していた大喜多崇規がドラムとして加わる。ヴォーカリストを探していた中、生形がABSTRACT MASHの村松拓の声に興味を持ち、ABSTRACT MASHのライブに足を運んだ生形と大喜多が、彼のライブパフォーマンスに惚れ込み、本格的にアプローチ。こうして4人が集まり、現在のラインナップとなる。
オフィシャルHP
http://www.ncis.jp/
ライブ情報
2012.9.15(土) 札幌・ペニーレーン24
「Pride」には誰かの力になれると嬉しいなと思っている部分はありますね。
今日は生形さん・村松さんにお話を伺います。生形さんにお話を伺うのは1年ぶり…Nothing's Carved In Stoneにとってこの1年はどのような時間でしたか?
生形「いつも同じなんですけど、「echo」(2011.6リリース)を出した後ツアーをしてから制作に入って。いつもだと2月くらいまでに終わるんですけど、今回マスタリングが終わったのが5月頭だったので、アルバムのリリースも2か月ほど遅れました。」
まずは7月18日にシングル「Pride」(次ページ写真)がリリースされましたが、初の日本語詞のシングルですね。
生形「曲自体は去年から出来ていたんですが、オケもその時に録っていたんです。今年に入ってからタイアップの話が来て、シングルとして出すことにしました。歌詞は色々紆余曲折あったんですけど、実は去年の段階では僕が英語で歌詞を書いていたんです。歌入れも英語でやったんですが、拓ちゃんの喉の調子がいまいちだったので、後日やり直そうという話になって。その間に、もともと日本語で書こうと思っていたことを思い出して、この曲は日本語にした方がいいかなと思って拓ちゃんに「日本語で書いてみない?」とお願いしました。Cメロの英語の部分はもともとあったもので、Aメロは訳詞のままなので、僕と拓ちゃんの共作のような感じですね。作詞も初めての方法だったんですが、曲も僕が弾き語りで持って行ったものからアレンジを変えたので、アルバム(「Silver Sun」)の中では一番変わった曲かもしれないですね。」
村松「英語詞はヴォーカルを楽器として使おうというのが趣旨だったんですよね。英語の柔らかさ・滑らかさ・美しさは日本語にはなくて。でも日本語には言葉の強さや伝わりやすさがあると思うんです。日本語詞で歌うということは、伝えることをダイレクトに出来るツールとして考えています。(英語詞を日本語詞に変えるのは)大変というより面白かったですね。内容としてはもともとの歌詞にインスピレーションを受けているので、単純に新しいなと思いました。」
老若男女関係なく、凄く背中を押してくれる楽曲のような印象を受けました。
生形「前向きな歌詞というか、自分たちがそういう音楽に助けられたことも何度もありましたし、誰かの力になれると嬉しいなと思っている部分はありますね。」
この曲はイントロもやられました(笑)。そしてギターソロのカッコ良さといったらなかったです。
生形「拍が変わるイントロなんです。ギターソロの最初はAメロに出てくるベースのフレーズなんですよ。あのフレーズが大好きで、ベースのひなっち(日向秀和)に「このフレーズ後半にも入れようよ」と言うのを忘れていてそのまま曲作りが進んでしまって(笑)。それでギターソロを入れようという話になったので、あのフレーズからスタートしたんですよ。」
曲単位で考えているので個性的な曲が揃っているアルバム…それが「Silver Sun」です。
8月15日には「Silver Sun」というアルバムがリリースされました。
生形「これは拓ちゃんが持って来たタイトルなんですけど、「Silver Sun」というのは「月」という意味で、カッコいいんじゃないかと(笑)。素直に「Moon」というよりはひねくれていて、僕ららしいかなと思いまして(笑)。」
個人的に大好きな曲が「PUPA」なんですが、英語詞なのに歌詞ががっちり入りました。
生形「それは僕も思っていたんですが、前向きな言葉が増えてきていいなと思っています。表情が凄く出てますよね。「PUPA」はアルバムの最後の方に入れようと思っていたんですが、完成した時の出来が凄く良かったので、アルバムの中でも早めに聴いてもらいたいと思って(笑)、3曲目にしました。」
村松「歌に関しては意識的に細かいニュアンスを入れていこうということを決めていたんです。これまでは歌いこんでから録るというよりかは一発で録る方が多かったんですよね。今回は全体的に弾き語りで歌いこんでから細かいところを決めてから収録したので、そういうことも影響しているかもしれませんね。」
どの曲も個性が強くて聴いていて絵が浮かんでくる…映画のBGMになっていても不思議ではない楽曲が揃っていると思いました。
生形「個性が強いのは曲単位で考えているからかもしれないですね、アルバム単位ではなくて。」
村松「ライブでやるのがとりあえず楽しいです(笑)。」
生形「新しい楽曲を演奏するのは新鮮ですし、気持ちいいですよね。」
9月15日・土曜日に札幌・ペニーレーン24でワンマンライブが行われますね。
生形「僕らのスタンスとして、来てくれたお客さんと一緒に作り上げるライブにしたいと思っているので、お互いのやり取りが出来るライブ…アルバムの世界観をライブで感じてもらいたいですね。」
それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
生形「お世辞抜きで凄く好きな土地で、街の雰囲気・お客さんの熱の入り方も大好きです。本当に楽しみにしているのでアルバムを聴いてライブハウスに遊びに来てくれると嬉しいです。」
村松「道産子には負けられないので、皆の期待を上回るライブをするので、たっぷり期待して遊びに来てほしいと思います。」
インタビュー後記
このバンドの素晴らしさは、凄まじくテクニカルなことをしているのにどこかにキャッチーさを必ず盛り込んでいるところだ。7月18日にリリースされた「Pride」もイントロからメンバー全員のテクニックが炸裂しているが、キャッチーで色気のあるメロディが乗り、心地よいロックを届けてくれる。その流れは8月15日にリリースされるアルバム「Silver Sun」にも引き継がれている。「Silver Sun」=「月」という意味だそうだが、その淫靡なイメージも彼らにぴったり。彼らの「Pride」がディティールへのこだわりを生む。Nothing’s Carved In Stone、また新たな歴史が刻まれた。(橋場了吾)
「Silver Sun/Nothing's Carved In Stone」
(2012.8.15発売/¥2800(tax in)/ESCL394)
1.Spirit Inspiration
2.白昼
3.PUPA
4.Advance Forward
5.Terminal
6.Red Light
7.The Big Chill
8.Inside Out
9.Scarred Soul
10.Sequel
11.Pride
12.The Silver Sun Rise Up High
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- 2012.08.27 Monday
- MUSIC NAKED(ハダカの告白)
- 19:00
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- by Ryogo Hashiba