MiChi

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    リスナーへ贈られる、2年半分の“気づき”をのせた「THERAPY」


    MiChi(Vo)

    プロフィール

    2008年にシングル「PROMiSE」でメジャーデビュー。インディーズ時代のiTunesでの実績と、CMソングとして起用されたことなどから大ヒット。2009年1stアルバム「UP TO YOU」をリリースしオリコンチャート4位を記録。同年のファーストツアーは全会場SOLD OUT。その後も精力的にシングルをリリースし、2012年3月に2ndアルバム「THERAPY」をリリース。
    オフィシャルHP
    http://michimadness.tumblr.com/

    自分自身へのセラピーで感じた事を、聴いてくれる人にも…「THERAPY」にはそんな意味があります。 

    MiChiさんにお話を伺うのは1年4か月ぶりとなります。MiChiさんにとって2011年はどのような1年でしたか?
    「東日本大震災が起こった時に、どうしようもない気持ちというか、自分の力の無さに悲しい気持ちになりましたね。震災の1か月後にボランティアで現地に行ったんですけど、そこで「これが現実なんだ」というのを目の当たりにしました。(震災直後にHPでアップした)「ONE」という曲は震災の1年前くらいにすでにあった曲でまだ世の中に出てはいなかったんですが、すぐに「ONE」のことを思い出してアップしました。「今、聴いてもらいたい!」と思って。」

    3月21日に2年半ぶりのアルバム「THERAPY」がリリースされましたね。
    「この2年は、私自身も色々なことを感じて、アップダウンが激しい時期だったんですよ。その時に本当の自分と向き合うことが出来て、自分がどうやったらここから抜け出せるのか…自分自身へのセラピーを色々探していました。それは音楽の力もありましたし、人に会って話すこともありました。そして何もしないことだったり…。色々なセラピーがあってようやく抜け出せたので、そのままタイトルを「THERAPY」にしました。なのでこのアルバムを通して、聴いてくれる人たちが何かを感じ取って、「元気になれました」「HAPPYになれました」と感じてくれればいいなと思っています。」

    楽曲のコンセプト自体はどのように決まっていったんですか?
    「手探りでしたね。シングルがバラエティに富んでいたので、最初はトータルのイメージがなかなか出来なかったですね。1stアルバム(2009年9月リリースの「UP TO YOU」)では、それまでの自分を出しきったこともあって、今回はイチから探り探り作っていった感じでした。」

    「THERAPY」にはMiChiさんが作詞を手掛けたものの他、共作の楽曲もありますよね。
    「1stアルバムは全部自分の歌詞で、どこかで「歌詞は自分で書きたい」という気持ちが強かったんですね。でも歌詞はいつもスラスラと出て来るものではないので、その時に「人に書いてもらうとどうなるんだろう」と思って、今回皆さんとお仕事させていただいたことで、改めて勉強にもなりましたし、自分のスタイルがよりわかりましたね。もちろん共作の歌詞でも共感出来なかったら歌えないので…「TOKYO NIGHT」はいしわたり淳治さんが書いてくれたんですが、物凄く共感出来て涙が出て来たんです。」



    カッコいいというよりも、「想い」とか「伝えたいこと」…メッセージを大切にしたいと思っています。

    「THERAPY」の中で特にお気に入りなのが「LIGHT UP」という曲です。いわゆる“今”のサウンドですが、普遍的な魅力がある曲だと思います。
    「この曲は特にメロディが好きですね。スウェーデンのプロデューサーが作曲してくれたんですが、凄くメジャー感があると思いますし、歌いやすかったですね。ドライブにも合うと思いますし、クラブで流れてもアガりますよね。」

    そして最後が「ONE」で締められています。
    「本当にこの2年半、色々なことをやって来たなと思います。それがそのままアルバムになったので、今後の方向性が見えてきたような気がします。なので自分にとっても凄く良いアルバムになりましたね。」

    その方向性とはどのようなものですか?
    「インディーズの頃からエレクトロやダンスミュージックのカラーが強かったと思うんです。もちろんそれも好きなんですけど、アコースティックな曲も結構しっくり来るんですよね。カッコいいというよりも、「想い」とか「伝えたいこと」…メッセージを大切にしたいと思っています。なのでそういった曲をどんどんやっていきたいなと思いますね。」

    それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
    「北海道は来るたびに本当に空気が気持ち良くて大好きです。これから美味しいものをたくさん食べたいと思います(笑)。次はライブで来たいと思っているので、その時は是非遊びに来てください。」


    インタビュー後記

    ファッショナブルでクール、でもその体の中に秘められた情熱は熱過ぎるくらい…MiChiさんというアーティストは、非常に稀有な存在だ。東日本大震災が起きた時には、すぐにストックの中から「THERAPY」になりそうな「ONE」という曲をアップ、私自身もそのリリックやメロディに大きな勇気をもらった。そして2年半の集大成となった「THERAPY」というアルバムでは、そのバラエティに富んだ内容から色々なものに挑戦する心意気、そして熱いメッセージを受け取った。自分自身が動いて、聴き手に贈り続ける…それこそが「THERAPY」となる。ストレスが多い現代社会において、このアルバムが日本中に「THERAPY」を届けるはずだ。(橋場了吾)


    「THERAPY/MiChi」
    (012.3.21発売/¥3059(tax in)/AICL2349)
    1.MadNesS Vol.3
    2.TOKYO NIGHT
    3.LOVE is.
    4.Together again
    5.YEAH YEAH YEAH!!!
    6.Special Someone
    7.WoNdeR WomaN
    8.Light Up
    9.Take It Easy!
    10.もっと。
    11.Find Your Way
    12.THERAPY
    13.ONE
    ※初回限定盤A(¥3500(tax in)/AICL2345-6/DVD付)、初回限定盤B(¥3500(tax in)/AICL2347-8/リミックスCD付)も同時発売
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    a flood of circle

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      最も普遍的にロックンロールを体現しているバンドの心の声


      《L: HISAYO(B) 佐々木亮介(Vo&G) 渡邊一丘(Dr)) :R》

      プロフィール

      2006年に結成。翌2007年に1stミニアルバム「a flood of circle」をインディーズでリリース。2009年に初のワンマンライブを新宿ロフトで行いソールドアウト。同年4月に1stフルアルバム「BUFFALO SOUL」でメジャーデビュー。2010年12月より現在の体制に。
      オフィシャルHP
      http://afloodofcircle.com/
      ライブ情報
      2012.4.1(日) 札幌・COLONY

      HISAYOが凄く男らしい…なので加入後によく言われるのが「前より男らしくなったね」なんです(笑)。 

      今日は佐々木さんにお話を伺います。インタビューは1年4か月ぶりになります。ご無沙汰しております。
      「そうですね。でも何度もお話を聴いていただいているので、あまり久々という感じがしないです(笑)。」

      この1年4か月の間はa flood of circleにとって色々なことがありましたね。
      「2010年9月に「ZOOMANITY」というアルバムをリリースしてからすぐ…10月からツアーをスタートしたんですけど、ツアーの初日の前日にメンバーから「辞めたい」という話が出まして。「今か」と(笑)。「亮介とナベちゃん(渡邊一丘)がバンドを続けるなら、メンバーチェンジが終わるまではやるから」と言われて…「それ、お前が言うのかよ」と思いながらも(苦笑)、辞めたいという気持ちを受け入れて仕方ないかと思っていました。それでメンバー探しを始めたんですが、その時に昔対バンしたことのあるGHEEEというバンドのHISAYOが第一候補としてあったんです。ミュージシャンとしては先輩ですしカッコいいのもわかっていたので、あのうねる様なベースがa flood of circleに入るのは面白いんじゃないかと思って。スタジオに入ってもらったら、音はもちろん気持ちの面…精神的な熱いものが似ていたんですよね。それで2010年12月に加入してもらいました。」

      a flood of circleというと男の色気が魅力のバンドでしたから、女性が加入するというのは意外でした。
      「男の色気ありますか?(笑)自分ではわからないので嬉しいですね。実は姐さん(HISAYO)が凄く男らしいんですよ。なので加入後によく言われるのが「前より男らしくなったね」なんです(笑)。前のメンバーより酒も飲みますし、意見もはっきり言う、ステージングも堂々としている…男らしさは確実に上がっていると思います。」

      私は去年4月のペニーレーン24でのライブを見させていただきましたが、パワーアップしているa flood of circleを体感しました。
      「嬉しいです。姐さんが入った後にすぐ制作に入ったんですが、僕や姐さん、ナベちゃんが思っているロックのイメージを曲を作りながら固めていくことが出来たんですよね。前はメンバーの脱退のような出来事にアンチテーゼ的に曲を書いたりライブをしていたんですけど、自分の周りのゴチャゴチャしている環境を省いた時に、僕自身が一番言いたいことは何かを突き詰めた時に出来たのが「I LOVE YOU」だったりしたので、そのいいモードがライブに出ていたんだと思いますね。




      どんなに重いメッセージでも、ロックの軽快なリズムやコード進行だと届けられる…「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL」という言葉がピッタリだと思います。

      2011年11月に4枚目のアルバム「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL」がリリースされましたね。
      「最初にその言葉があったわけではなくて、アルバムが完成した時にこの言葉が当てはまるなと思ってこのタイトルにしました。2011年の曲作りは、自分にとってのロックンロールって何なのかなという根本的なテーマとの戦いだったんですけど、3月の東日本大震災は大きかったですよね。ロックを書く心構えとして、自分に正直に書きたいですし、自分の生活の中から切り出すものだと思っているので、今自分の思っていることを言葉にしないとダメだと思ったんです。どんなに重いメッセージでも、ロックの軽快なリズムやコード進行だと届けられる…このやり方が正しいと思っていたので「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL」という言葉がピッタリだと思います。サウンド面では前はブルーズが好きだからこそ、あえてブルーズっぽくないフレーズで更新して、精神的にはブルーズをやっているという感じだったんですが、今回は逆にもっとブルーズを突き詰めてもいいんじゃないかと。そうするとブルーズのシンプルなコード進行やシャッフルのリズムが物凄く奥深いということもわかりましたし、逆にそのままのものが新鮮で言葉にもマッチしていたので、恐れずに作っていきました。」

      新体制では初のアルバム作りでしたが、これまでとの違いはありましたか?
      「今までは一週間くらいスタジオに入ってまとめて収録するという方法だったんですけど、姐さんが入ってからは月に2曲くらいの収録になったんです。なので半年くらいかかってるんですけど、2曲録ると「このアルバムにはこういう表情の曲も入れたいな」という考える時間が出来るんです。それが凄く良かったですね。自分の曲作りのペースは遅くはなってないんですけど、じっくり見つめながら出来ました。あとは余計な肉付けをしなくなりましたね。アレンジもシンプルだけど面白いもの、言葉も出来るだけそぎ落として。そのシンプルさがいかに強いものかを証明しないといけないと思ったんですよね。最小限の形態でやっているので、余計なことをすると言葉が濁ってしまう…せっかく日本語でリアルタイムの言葉を書くということを大事にしてロック・ブルーズをやっているので、言葉が届く曲にしていきたいなと思いました。」

      私が特に気に入っている曲は「Boy」「The Beautiful Monkeys」なんですが、実はちょっとだけ英語が入っているんですよね。
      「英語を入れた理由は、曲がシンプルになればなるほど記号化したくなったんです。曲がワンフレーズで全部帰結していくようにしたいと思ったんですよね。この曲ではここを絶対伝えたいという部分を記号化する…簡単な英語を入れるというのは、今までやってこなかったことなので良かったかなと思います。」

      あと意表を突かれたのは「YU-REI SONG」です。
      「これ、悔しいくらい評判がいいんですよ(笑)。基本、力を抜いて作った曲だったので…。この曲は、アルバムの最後の「感光」…これはかなりへヴィウエイトな曲なんですが、他の曲と違って重い言葉をそのまま伝えたこのアルバムでは唯一の曲です。最後に「生きていて」という歌詞があって、そこにどう帰結させるのかすごく悩みましたね。その時に「YU-REI SONG」のアイディアが浮かんで、「感光」には入らない軽い部分だけで曲を作れないかなと思って。なので「感光」とは逆のことばかり言ってるんですよね。表裏一体というか、セットで自然に出来たという感じですね。」

      4月1日には札幌では初となるワンマンライブが控えていますね。
      「北海道のお客さんは審美眼が高いというイメージがありますね。それと尊敬しているバンドをたくさん輩出している…怒髪天、the pillows、eastern youth、bloodthirsty butchers、THE BLUE HERB…凄いストイックなイメージのバンドが多いので、そういう札幌の空気に負けたくないという気持ちがあります。そういう気持ちが伝わる様なライブにしたいですね。」

      それでは最後の北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
      「北海道のお客さんの審美眼の高さを尊敬しているので、そのオメガネは高いままで、そのハードルをa flood of circleが軽々と越えていきたいなと思っていますので、ライブハウスで会いましょう!」


      インタビュー後記
      インタビューの前日、佐々木さんはバンドではなく、一人弾き語りでライブに臨んでいた。ステージに上がった瞬間にお客さんの匂いをかぎ取り予定していた1曲目を変更、ガツンとテンポと勢いのある曲でぐいぐいお客さんを自分の世界へ引き込んでいった。ステージ上のギラギラした佐々木さんは、取材中だと凄く優しい雰囲気になってしまうので別人のようなのだが、一度音楽について語りだすとそのトークは止まることを知らない。ロックンロールに凄く真摯で真面目に取り組んでいるのが手に取るようにわかる。最新アルバムのタイトルは「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL」…直訳すると「愛はロックンロールのよう」だが、私にとっては佐々木さんの存在そのものがロックンロールのように思える。革ジャンを肩身離さず、常に音楽のことを考えている…変わらないのもロックンロール、変わるのもロックンロール。歌われる歌詞には心の声が詰まっている。そのロックンロールを今、最も体現しているバンド、それがa flood of circleだ。(橋場了吾)


      「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL/a flood of circle」
      (2011.11.23発売/¥2800(tax in)/VICL63807)
      1.I LOVE YOU
      2.Blood Red Shoes
      3.Whisky Bon-Bon
      4.Sweet Home Battle Field
      5.賭け (Bet! Bet! Bet!)
      6.Hide & Seek Blues
      7.YU-REI Song
      8.Boy
      9.The Beautiful Monkeys
      10.King Cobra Twist 〜-session #6-
      11.感光
      ※初回限定盤(¥3150(tax in)/VIZL445/DVD付)も同時発売
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      plenty

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        真摯な音楽への姿勢から生まれた「plenty」な音楽的魅力


        《L: 新田紀彰(B) 江沼郁弥(Vo&G) :R》

        プロフィール

        茨城県出身のロックバンド。2008年上京、年末に開催された「COUNTDOWN JAPAN 08/09」に出演。以後同イベントに4年連続で出演。2009年10月に1stミニアルバム「拝啓。皆さま」をリリース。2012年4月8日からワンマンツアーがスタート。
        オフィシャルHP
        http://www.plenty-web.net/
        ライブ情報
        2012.5.18(金) 札幌・ペニーレーン24

        「plenty」の制作時は、本当にいい曲を作るしかない、それしかなかったですね。 

        plentyのお二人にインタビューさせていただくのは1年ぶりになりますが、その間にメンバーの脱退がありましたね。
        江沼「意外なことに不安が全くなかったんですよね。バンドを辞めようというのもなかったので。「さて、どうしようか」というのはあったんですが、「ヤバい」というのはなかったですね。いい曲を作って、いいライブをする集団だったので。」
        新田「後になって「よく続けたね」と言われることはよくあるんですけど、「ああ、辞めるという選択肢もあったんだな」と思うくらいなんですよ。」
        江沼「正式メンバーは常々募集中です。いい人がいたら、という感じですね。」

        2011年後半は二人体制のplentyがスタートしましたが変化はありましたか?
        江沼「後半だけではなくて2011年はツアーとリリースの繰り返しだったので、全体的に制作とライブ中心でしたね。」

        2月15日にアルバム「plenty」がリリースされましたね。
        江沼「本当にいい曲を作るしかない、それしかなかったですね。歌詞の面では「孤独」が多くなったんですが、それは結果的なもので、特に何かを決めていたわけではないんです。いい曲というのは、メロディが強い曲…まあ、好みですけどね(笑)。メロディがダメな曲はボツにしますし…メロディ以外基準はないかもしれないです。メロディの時点でダメなら歌詞も書かないですし、良くなりそうだったら磨くし、という感じですね。一曲一曲作っていって、大体ストーリーが固まって来てから、1曲目コレにして、2曲目はコレにして、という感じで選曲していきました。そういう意味でも中途半端な曲は作れないという思いがありましたね。」

        アルバムタイトルがバンド名そのままですね。
        江沼「メンバーの脱退もあって、変わったんですよね。やっぱり、ここから!という意識があったので「plenty」とつけたかったんですよね。初のフルアルバムなので名刺代わりに「plenty」という意味もありますし、バンド名を背負うという覚悟みたいな意味もあります。」



        5月18日、ペニーレーン24でのライブはシンプルでいいライブにしたいと思います。

        私は個人的に「砂のよう」という曲が大好きなんですよね。
        江沼「男の方に人気なんですよ(笑)。砂…砂、どうですか?(笑)(筆者「え?(笑)」)僕は砂を見ていて人間と似ているような気がしたんですよ。そんな曲です(笑)。砂ってずっとそこにあるようなイメージがあったんですが、実は風でずっと動いているんですよね。例えば自分の家に庭があったとして、昨日と同じ庭なんだけれども中身は違うわけですよ。人間も細胞が入れ替わったり、常に動いているんだけど、はかない、もろいところが似ていると思ったんです。」
        新田「(江沼が)歌詞を書いている時は入り込んでいるので、リハーサルでも話しかけづらいんですけど(笑)、たまに出て来る言葉が「砂ってどう思う?」ですから。「す、砂?」みたいな(笑)。」
        江沼「多分、誰に話しかけてるのかもわかってなかったかもしれないです(笑)。それくらい集中しちゃうんですよね。」

        ちなみに女性人気の高い曲は何なんですか?
        江沼「「普通の生活」ですかね。この曲は説明しないと誤解されやすいんです(笑)。「普通の生活 そんなものはない」…そこだけ抜くと希望のない言葉なんですけど、逆説というか。毎日ゴロゴロしたり意味もなく夜更かししたり、そういう実際はしたいことなんですが、そんなことをしてたらいけないんだ、ということです。「そんなものはない」=「そんなことはしてられない」ということですね。」

        5月18日・金曜日にペニーレーン24でワンマンライブがありますね。
        江沼「どんなライブになるかは、まだわかりません(笑)。もちろん一生懸命やりますし…どうしましょうか(笑)。僕は「シンプルなものは強い」という思いがあるんです。大事なものも、シンプルであればあるほど強い、というか。シンプルでいいライブにしたいと思います。本当は演出を必要としないくらい強い楽曲を作らないとダメなんですよ。なので今目指しているのは、そこですね。」

        それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
        新田「北海道、ごはん美味しいですよね(笑)。CDもライブも大事に作っているので、時間があれば一度見てほしいです。」
        江沼「いつもじっくり音楽を聴いてくれる、北海道の皆さんと会えるのを楽しみにしています。」


        インタビュー後記
        前回のインタビューでも感じたことだが、見た目は草食系、でも音楽への姿勢は肉食系。その印象はまったく変わっていないどころか、より強くなっているような気がする。3人組が2人になるという、傍から見るとバンドを揺るがす大ピンチに思えるが、そこは動じず曲作りに邁進し「plenty」という素晴らしいメロディに彩られたアルバムを作り上げた。そして一曲一曲に対する思い入れの強さも、アーティストかくあるべし、というもの。特に目立ったタイアップもなく、地道な活動でここまで支持を拡大している理由はこういう姿勢があるからだろう。ますます「plenty(たくさんの)」音楽的魅力を提示したplenty、5月18日のライブでその魅力はさらなる進化を迎える。(橋場了吾) 


        「plenty/plenty」
        (2012.2.15発売/¥2500(tax in)/XQFQ1206)
        1.はじまりの吟
        2.普通の生活
        3.待ち合わせの途中
        4.人との距離のはかりかた
        5.おりこうさん
        6.人間そっくり
        7.空が笑ってる
        8.スローモーションピクチャー
        9.あいという
        10.砂のよう
        11.風の吹く町
        12.蒼き日々
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        浜田麻里

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          混沌とした社会に咲く一輪の伝説の薔薇


          浜田麻里(Vo)

          プロフィール

          東京都出身、1983年にアルバム「Lunatic Doll」でデビューしたロックヴォーカリスト。その衝撃的なハイトーンヴォイスは“ヘヴィメタルの女王”と称され、日本のみならず海外でも絶賛される。海外のトップミュージシャンとのコラボレーションも積極的に行い、Jeff Porcaro(TOTO/R.I.P.)やSteve Lukather(TOTO)、Lee Litenourらがレコーディングに参加している。
          オフィシャルHP
          http://www.mari-family.com/
          ライブ情報
          plenty 2014年 春 ワンマンツアー
          2012.5.12(土) 札幌・Zepp Sapporo

          自分の過去の足跡や未来に向けての気持ちが「Legenda」という言葉になりました。 

          浜田さんにお話を伺うのは3年半ぶりとなります。2011年はどのような1年でしたか?
          「制作に明け暮れていた感じですね。このアルバム(「Legenda」)の制作もありましたし、ライブDVD(2011年9月リリース「Live in Tokyo "Aestetica")もリリースしたので。DVDも音の調整は全部自分でやっているので、結構大変なんですよ(笑)。DVDは一回で録音したものをどうよく聴いていただくかなので、CDのレコーディングとは挑み方は違うんですが、歌の細かいエフェクトなど悩む部分は一緒なんです。」

          ご自身のライブを客観的に監修するというのはどういう気持ちなんですか?
          「いまだに恥ずかしいです(笑)。凄い大きな口開けてるなとか(笑)。まあ、そういうタイプの歌い手なので仕方ないですよね。」

          そして2月15日に「Legenda」というアルバムがリリースされましたね。
          「前回のツアーが終わって、わりと早い時期に曲作りを始めてまして、自分が書いた曲に関してはその時点で半分くらいは出来ていましたね。あんまりきっちり決め込まずに…という思いはあったんですが、最近は自分のオリジナリティとは何だろうと自問自答することが多くなって、よりエッジの効いたサウンドやへヴィロックを突き詰めたアルバムにしようとは思っていました。」

          「Legenda」というタイトルはどのタイミングで決定したんですか?
          「制作がスタートしてから半年くらいしてからいくつか候補が出てストックしておいたんですが、(アルバムが完成する)ギリギリで決めました。ちょっと大仰なタイトルなんですが、そろそろデビュー30周年にもなるので、ここらあたりでいいかなと(笑)。本当は、自分自身の希望的観測を象徴する言葉ですね。デビュー以来、人と違った自分でありたいとか、ちょっと先を行った存在でありたいとか、そういう理想を持ってずっとやって来たので何をするにも“第1号”ということが多かったと思うんです。音は本格的なへヴィメタル・ハードロックなのにアイドル的な売り出し方だったり、女性アーティストとスポーツの融合だったり。一気にメジャー展開をしたかと思えば、ストイックな活動に戻してみたりも勇気がないとなかなか出来ないことだと思うので。そういう意味でも新しい自分でいたいんですよね。ずっと好きでいてくれている方もいると思いますが、共感出来なかったり、私のやり方が理解出来ない方が多い時代もあったと思うんです。でも私は例えそうでも構わないじゃないかという考え方があって、10年後・20年後・30年後に「あれってエポックメイキングだったかもね」と後から気が付いてくださる方が多ければいいなと。今もそういう理想で活動しているので、自分の過去の足跡や未来に向けての気持ちが「Legenda」という言葉になりました。」



          ライブではちょっとやんちゃでエッジの効いたバンドサウンドをお聴かせしたいなと思っています。

          前回のインタビューでへヴィメタルの部分を追求していきたいと話されていたので、まさに浜田さんにしか作りえない、全曲鳥肌立ちまくりの1枚でした。
          「ちょっと濃いですよね(笑)。へヴィで陰鬱な曲が多いので、優しい部分を求める方もいるかと思うんですが、それは今後そういう曲を書きたくなる時期が来るかもしれないです。今は自分のオリジナリティと日本の閉塞感の中で自分の心意気を見せたいという気持ちが合致した感じですね。」

          今まで以上に濃口のへヴィメタルを歌うことで、気をつけたことはありますか?
          「まずは常識にとらわれず、自分の特徴を出すということです。あとは世界的視野で通用するサウンドを作りたいという点ですね。サウンドが分厚いので歌を立たせるためにロー(低音)の部分を切ってしまうエンジニアが多いんですが、私のふわっとした甘い部分はローで生きてくるので、あえてローを強調したり、声質の部分では気を遣いました。きつく歌ってもどこか甘さがあるんです(笑)。」

          浜田さんのように歌えるようになるためには、どうすればいいんでしょうか…?
          「子供の頃から歌っていて、その積み重ねで出来てきた歌唱法なので、こういう感じ、というのは難しいんですけどね。私も若い頃にロックを歌うにあたってもっとハスキーにしたいと思ったことがあったんですが、今となってみたらもともとの声が個性になって今も続いていると思いうんです。なのでただ声域を広げようと無理をして、声をつぶしてしまってはいけないので、それぞれの声域を大切にしながら練習していくのがいいと思います。」

          5月12日にはZepp Sapporoでライブがありますが、どのようなライブになりそうですか?
          「かなりハードな感じになると思います。いいオトナなんですが(笑)、ちょっとやんちゃでエッジの効いたバンドサウンドをお聴かせしたいなと思っています。」

          それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
          「北海道はご飯も美味しいですし人間的にもいい方が多いので(笑)、毎回楽しみに来ています。「Legenda」はちょっと暗めのアルバムですが、だからこそ心意気が伝わる部分もあると思うので、深く聴いていただけたらと思います。よろしくお願いします。」


          インタビュー後記

          「Legenda」…まさに伝説のヴォーカリストだ。普段は物静かでお淑やかなイメージの浜田さんなので、今回もCDとお会いした時のギャップに驚いてしまった。「Legenda」に収録されている楽曲はどれもこれも凄まじくハイクオリティなへヴィメタルだ。浜田麻里というアーティストにしか作りえない暗く重い世界観がこれでもかと展開されている。その中で聴くことの出来る、時に激しい、時に優しい伸びやかなヴォーカルは、震え上がるほどの迫力に満ちている。来年デビュー30周年を迎える浜田さんの歌声は、更なる強靭さでリスナー・オーディエンスの耳に届くことだろう。こんな伝説のヴォーカリストと同じ時代に音楽を楽しめることを、素直に感謝したい。(橋場了吾)


          「Legenda/浜田麻里」
          (2012.2.15発売/¥3000(tax in)/TKCA73740)
          1.Crisis Code
          2.Momentalia
          3.Heartstorm
          4.Crimson
          5.El Dorado
          6.Forest
          7.Ransei-Conscientia
          8.The Greatest Cage
          9.Etranger
          10.Get Together
          11.Aurea
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          YU-A

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            北の大地が生んだ歌姫の新しい挑戦


            YU-A(Vo)

            プロフィール

            北海道・札幌市出身。2008年9月に童子-Tのアルバム「12 Love Stories」の「願い feat.YU-A」へフィーチャリング参加。2009年4月に自ら作詞したソロデビューシングル「逢いたい…」他シングル計8枚、アルバム「You Are My Love」「2Girls」をリリース。2012年5月23日には、3rdアルバム「DREAM」が発売決定。キュートなルックス、ハスキーで心に響く歌声、華麗なダンスパフォーマンスが注目を集めている。
            オフィシャルHP
            http://www.yu-a.com/

            私にとっての新しい挑戦…それが「あなたの笑顔」です。 

            YU-Aさんにインタビューさせていただくのは半年ぶりになりますが、この半年間はどのような活動をされていましたか?
            「制作・ライブが中心だったんですが、お正月は地元の札幌に帰って来ていました。今年はゆっくり一週間くらい実家で過ごしました。中学校の同級生とも久しぶりに会ったりして、楽しかったですね。」

            2月22日に「あなたの笑顔」というシングルがリリースされましたね。
            「昨年末から制作をスタートしたんですが、ドラマ(「デカ黒川鈴木」)の主題歌にもなるということで、今回シングルとしては初めてコンペ(多くの曲の候補の中から1曲を絞ること)をしたんです。今までは作家さんと「こういう曲にしたい」と意見を言い合いながら1曲を作っていくんですが、今回は100曲くらいの中から15曲を選んで仮歌を入れました。それからスタッフに配って、皆それぞれがベスト3を出し合ったところ、この「あなたの笑顔」が一番人気が高かったんですよね。実は私は選んでいなかったんですけど(笑)、ドラマの台本を読んでるうちに「なるほど、この曲がエンディングで流れてきたらしっくり来るな」と思うようになりました。“和”な感じのトラックも私の中では新しかったので、2012年も始まったことですし新しい挑戦をしてみようと。そこから歌詞を書いていきました。ただドラマの制作サイドからオーダーされたキーワードと私がトラックから描いていたイメージがだいぶずれていて…。その擦り合わせが一番苦しみましたね。書き始めるまでが大変だったんですよ。どの目線で書いていくのか…今回は色々な立場の方に聴いてほしかったので、第三者の目線で書くのを決めて、そこに至るまでに凄い時間がかかりましたね。」

            最初のイメージを崩して新たなものを作るというのは凄い大変な作業のように思うのですが…。
            「そうなんですよ(笑)。私の制作の仕方は、自分の中から出てくるものでしかやったことがなかったんです。それはフィクションでもノンフィクションでも、私から発信しているものばかりだったので、今回他の人の意見を聴いて制作していくことの難しさがわかりましたね。それと人ってこんなに感じ方・考え方が違うんだなというのを改めて感じました。なので作詞を作家さんに頼むのもアリかなと一瞬思ったんですが、ここを乗り越えるとまた何か変わってくるかなと思って…本当に自分で詞を書いて良かったと思います。」



            私の中で「TELL ME TELL ME」と「YOU」は同じ女の子のイメージです。

            作詞家としての力量も問われた1枚ですね。
            「そうですね。去年アルバム(「2 Girls」)を出してからは大きな普遍的な愛を歌った曲が多かったですし、その前は恋愛の曲が多かったんですが、私は25年分の経験しかないんですよね。やっぱり実体験だけで書いていくのは難しい部分もありますし、それ以外の情報収集はこの3年の間にたくさんしたので、詞の立ち位置や言葉選び、自分らしさとは何だろうとか、そういうことを凄い考えさせられた1年でしたね。」

            実際レコーディングの時はいかがでしたか?
            「Aメロからキーが高いので、私の曲の中では変わってるなと思いました。凄い新鮮な気持ちでレコーディングしましたね。コードの変化も多いですし。あ、これは歌ってみてわかったことなんですけど、相手に対して「あなたは凄い必要とされてるよ」という気持ちになったんです。でもそれは歌詞を書いている時に出て来なかった感情で、ライブでお客さんの前で歌うと、さらにその感情が大きくなりましたね。」

            カップリングの「YOU」はまた違ったテイストの曲で、私も大好きな1曲です。
            「「YOU」ファン多いんですよ(笑)。「YOU」は今まで私がやってきたサウンドに近くて、ちょっとお遊びも効いていて。私の中で「TELL ME TELL ME」(「ごめんね、ママ」のカップリング)と「YOU」は同じ女の子のイメージです。カップリングの歌詞を書く時はなぜかこの子が出てきちゃう(笑)。自分の掌で男の子を転がしているつもりなのに、実は自分が転がされちゃってるというような女の子ですよね。気を付けているのはディティールですね。こういう曲で普遍的なものをいれてしまうと、どんどん濁ってしまうので、凄い細かいところまで設定を決めたり、具体的なエピソードをイメージして書いています。前からそうなんですけど、自分自身とキャラの違う子を書きたくなる衝動に襲われるというか、小説を書くようなイメージで別の人になりきって書くのが好きなんですよね。最初は「全然理解出来ないんですけど」というところからスタートしても、ちょっとずつその子を理解出来たり、可愛いなと思うようになってきたりして、凄く面白いなと思うんです。」

            間もなくアルバムもリリースされるんですよね。
            「5月23日に「DREAM」というアルバムが出ます。前回のツアーを終えてから、次のアルバムは“夢”をテーマにしようと思っていたので、「あなたの笑顔」を録り終えてからすぐにアルバムの制作に入っています。“夢”といっても色々な夢があると思うんです。私たちの希望や願い、寝ている時に見る夢…色々な夢をアルバム1枚にギュッと詰めて、宝箱をひっくり返したようなアルバムにしたいなと思って作っています。」

            それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
            「地元・札幌ということで、これからも地元を盛り上げていきたいと思いますので、YU-Aの曲を聴いてパワーを受け取ってもらえたら嬉しいです。またライブにも遊びに来てください!」


            インタビュー後記
            YU-Aさんというと、シンガーソングライターとしてしっかりした地位を確立しているアーティストだ。その位置にいるアーティストが、新たな制作方法や今までにないトラックに歌を乗せるなど、新しい挑戦を続けている。一度出来上がったものを継続しながら、新たな肉付けをしていく作業がどれほど大変なものかは、皆さんも身を持ってわかることだろう。その難しい作業に挑戦し、違った魅力を作り出しているYU-Aさんには素直に敬意を表したい。インタビュー収録後に「DREAM」収録曲「LINK」の音源が届いた。北海道・沼田町で制作された映画「ユキモノガタリ」のエンディング曲にもなっているこの曲は、明るさと切なさが交差するアッパーチューン。この原稿を書いている時点ではニューアルバム「DREAM」の全貌は明らかになっていないが、YU-Aさんのことなのでまた我々がびっくりするようなアルバムを届けてくれることだろう。YU-A…地元が札幌という贔屓目を抜きにしても、2012年、絶対に目を離してはいけないアーティストだ。(橋場了吾)


            「あなたの笑顔/YU-A」
            (2012.2.22発売/¥1050(tax in)/YRCN90183)
            1.あなたの笑顔
            2.YOU
            3.あなたの笑顔(Instrumental)
            4.YOU(Instrumental)
            ※初回限定盤(¥1500(tax in)/YRCN90182/DVD付)も同時発売
            CDの購入はこちら →
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