杉山清貴

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    ”古き良き時代の精神性”と”飽くなき探求心”の「同調作用」


    杉山清貴(Vo&G)

    プロフィール
    神奈川県横浜市出身のシンガーソングライター。1983年4月に「杉山清貴&オメガトライブ」としてシングル「サマーサスピション」でデビュー。その後1986年5月にシングル 「さよならのオーシャン」でソロデビュー。ヒット曲を多数チャートに送り込む。4月6日にオメガドライブ時代のプロデューサーである林哲司プロデュースのアルバム「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI -REUNITED-」をリリースする。
    オフィシャルHP

    http://www.sugiyamakiyotaka.com/

    自分が海に入ったことで見えてきたことがたくさんあったんです。 

    杉山さんは2年後にデビュー30周年を迎えられますが、どのような時間でしたか?
    気がついたら、という感じです(笑)。制作に関しても、ほとんど何かしらの作品を出させていただいていて、ふと「毎年出す必要もないんじゃないかな」と思うこともあったんですが、ライフワークのようになっていますよね。なのでそんなに気合を入れているわけではないんですが、まだまだやってみたいことがあるので続けている気がしますね。」

    グループでもソロでもトップを極めてしまうと、そのモチベーションを保つのは難しいとも思うのですが…。
    「80年代は本当に取りつかれたように仕事をしていましたから、90年代に入った時に少し落ち着きを取り戻さないと、と思いました。年齢的にも30代に入る時でしたから。音楽をやりたいなと思い始めた当時の任務を果たしたいというか。商業的な部分で突っ走るのもいいんですけど、それは向いていないのかなと。10代の頃の聴いていたウエストコースト・ミュージックなのか、丁度ハワイにはまり始めていたのでハワイアンなのか、そういう音楽をじっくりやりたいなと思い始めたのがその頃でしたね。で、未だに模索していますけど。」


    当時はリリースの度に音楽番組に出ずっぱりでしたよね。
    「僕がラッキーだったのは、ボディボードに出会えたことでした。それまでも(楽曲的に)海の匂いもありましたし、海は好きだったんですが、自分が海に入ったことで見えてきたことがたくさんあったんです。サーファーってチャラチャラしているイメージがあるかもしれないんですが(笑)、意外にそうではなくて、ナチュラルな生き方をする人たちがたくさんいたり。もしボディボードに出会っていなかったら、僕はどんな音楽を作っていたんだろうと考えることがあります。出会えたことでレイドバックした音を作ることも出来ましたし、今回林(哲司)さんとやったようなクールな街の歌も出来ますし。海との出会いは大きかったですね。」


    そういう出会いもありつつ、長く音楽を続けて来た秘訣は何だと思いますか?
    「聴いてもらいたいものがある、ということですかね。毎回アルバムを作るたびに詰め込むんですけど、出来上がってみると「う〜ん」と首を傾げてしまうものがあるんですよ(笑)。それを整理して新しいものを作る…その作業が続くんですよね。でもそれは失敗とかではなくて「実際作りたかったのはこれじゃなかったな」という違いが出て来るんですよ。」




    僕が一人で作るのと、林さんが一人で作るのと全く違う作品になる面白さ…それが「REUNITED」の一番のポイントです。

    4月6日に林哲司さんプロデュースのアルバム「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI -REUNITED-」がリリースされます。ソロになってからはアルバム単位で一緒に制作されたのは初めてなんですよね?
    「2年前に「Glory Love」(2009年7月リリース)という曲を出した時に、いつも通り林さんが曲を書いてくれるという感覚だったんですが、 林さんの方から「共作をしてみないか」というお話を頂いたんです。それでやってみたところ、林さんも想像していない方向に行って、 僕的にも「中途半端に作った曲がこんなにカッコよくなっちゃうんだ」みたいな感覚があって(笑)。 それで面白いなと思って「アルバムも楽しいかもしれないね」というちょっとした話がきっかけで今回に繋がったんです。 僕が一人で作るのと、林さんが一人で作るのと全く違う作品になる面白さ…それが今回のアルバムの一番のポイントだと思います。」


    楽曲制作は一緒にされたんですか?
    「いや、違うんです。これがまた楽だったんですが(笑)、僕がAメロだけとか、サビだけとか、スケッチ的なものをたくさん持っていたので、林さんから「それをくれ、それを俺が一曲にするから」と。なので新たに頑張って作ったというよりは、過去に作って溜めてあったものの中で林さんが引っ掛かったものを楽曲にしたので、僕は凄い楽だったんです。例えば「こういう出だしは自分では作らないな」というのを林さんも楽しんでくれたみたいですね。でも僕もプライドがあるので一曲まるごと作って送ったんですよ。そうしたら全くの無反応で(笑)。ある意味、化学反応を起こしたという形だと思います。今まで一曲そのまま林さんから頂いて歌っている作品は「いい曲だな」という感じなんですけど、今回は僕の作りかけの曲を完璧に仕上げる…しかも想像を遥かに超えたものを作ってくれたので、改めて林哲司の凄さを感じました。60歳を過ぎてなお今の音楽を聴いていますから、決して古くない音になったと思います。」


    実際の歌入れのレコーディングはこれまでと違いましたか?
    「全然違いましたね。わかりやすくいうと、自分の作った作品は現場でいかようにも変えてしまうんですけど、林さんの作ったメロディはアレンジの一部みたいなものなので、よっぽどのことがない限りは譜面通りに歌いました。そうすると凄く丁寧な歌になるんです。それがクールな音になった一因かなと思いますね。」


    シンガーソングライター杉山清貴というより、シンガー杉山清貴の凄みを感じる1枚でした。
    「そうなんですよ(笑)。どうして自分のアルバムだとこうはいかないのかと(笑)。(声を保つ秘訣は)僕の中ではライブをし続けることですね。ちょっとでも休んだら衰えますよ、多分。スポーツ選手と同じで筋肉ですから、走り出したら走り続けるしかないんですよね。昨日のライブ(3月3日@札幌・ジャスマックプラザザナドゥ)でも「ああ、ここもうちょっといい感じで歌えたのに」と思いますし。特に林さんの曲は聴いていると簡単そうなんですが、いざ歌うと難しいんですよ(苦笑)。」

    コンサート会場でのみ販売されている「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI -REUNITED-SPECIAL (LIMITED EDITION)」には1曲歌詞を公募した楽曲が収録されていますね。
    「「遠くの優しさ」はテーマが斬新ですよね。僕らだけでは遠距離の話はなかなか浮かんでこないですよ。あとは詞を見た時にメロディがつけやすいなと思ったんです。この曲は、スタジオでギター持って歌ってみると、すぐにメロディが出来たんですよね。作詞されたのは札幌の方で、昨日も来てくださってました。」

    昨日のライブはラジオを聴かせて頂いているような感覚でした。曲に対しての説明もわかりやすく、より感情移入出来ました。
    「僕の場合、MCがとっ散らかって自分でも拾えなくなるんですけど(苦笑)。でも曲の解説をするのは大事なことだなと、ここ1年くらいで気づいたんです。曲の背景や曲に対する思いを説明することにより、お客さんもスッと曲の世界に入っていけるというのを感じたんですよね。そうすると詞も入りやすいかなと思って、今のスタイルでやっています。」

    それでは最後に北海道のファンの方にメッセージをお願いします。
    「よりシンプルに、力を抜ききって、かつ内容のあるものを今後も作っていきたいと思います。弾き語りだけでなく、ハンドマイク片手に暴れ回る僕の姿も見て頂きたいので(笑)、バンドスタイルのライブの実現をお待ちください。よろしくお願いします。」

    インタビュー後記

    私が小学校時代に音楽番組で毎回のように見ていたスーパースターとのインタビューは、好きなことを「続けていることの凄さ」と「続けるための秘訣」を教えていただいた授業のような時間だった。インタビュー前日のライブでは、若き日と変わらないどころかそれ以上の存在感のある歌声を披露し、かつてのヒット曲を連発していたコンビを復活させてのニューアルバムをリリースするという、今なお新しい動きを活発化させていることに、人間としての強さも感じた。”古き良き時代の精神性”はそのままに”探究心”を加えて作り出されたアルバム「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI -REUNITED-」。昔からのファンも納得、新しいファンには新鮮に聴こえる1枚は、杉山清貴さんの、海のような懐の深さを感じさせる作品となった。(橋場了吾)



    「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI -REUNITED-/杉山清貴」
    (2011.4.6発売/¥3000(tax in)/VPCC80650/DVD付)
    1.Paradise
    2.Fly Away 〜お伽噺のような不思議なユメ〜
    3.Tears for Shining Star
    4.永遠
    5.I Write A Song For You
    6.夏の光 〜永遠の少年たちへ〜
    7.I'M A LOSER
    8.涙の理由(Remix)
    9.Hi Da Ma Ri
    10.Rainy Day in New York
    11.brand-new day
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    【SAPPORO MUSIC NAKED】Amazon Store


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