【地方創生・北海道】今年はラジオにとって最大・最後のチャンス…大西賢英・STVラジオ社長(後編)

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    首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのように先代からの伝統を引き継ぎながら、新たな事業展開を図っているのでしょうか?そこで、北海道札幌市に住む筆者が北海道の企業の社長や団体の代表者に「地方創生」について伺っていきます。

     

    今回は北海道におけるAMラジオの雄・STVラジオの大西賢英社長にご登場願いました。30年以上続く人気番組『日高晤郎ショー』を中心にした編成で北海道での知名度は抜群。そのSTVラジオの中で、原点回帰の動きを見せています。 後編では、ラジオ放送の原点回帰とは何なのか、そして地方におけるラジオの役割について大西社長に伺いました。

    ※筆者は札幌テレビ放送に1998年4月から2005年12月まで在籍。ラジオ(編成制作部))には1999年7月から2005年6月まで在籍していました。大西社長はかつての先輩にあたります。

     

     

    ワイドFMがスタートしてから東京は全体の聴取率が上がった

     

    ワイドFMについても長期的な投資というお話でしたが(前編参照)、これは具体的にはどのようなことですか?

    「FM波がAM波より優れているのは、音質が良くビルの中での聴取に強いことです。AM波は遠くまで飛びますが、音質が劣りビルの中では聴こえづらい……いわゆる『都市型難聴』と呼ばれるものです。この都市部はラジオ局の収益の根源になってきますから、実はAM局の中でもFM局に乗り換えたいと公言しているラジオ局もあるくらいです。また、災害時のことを考えるとAM波だけでなくFM波も持っていた方が、より多くの人に情報を届けられるという利点もありますね」

     

    ワイドFMができることで、ラジオの多チャンネル化は検討されましたか?

    「現在AMで放送している番組のほかに、別のチャンネルを放送することは考えませんでしたし、今後も考えていません。しかし、FMという言葉の響きが持つイメージとしてはやはり音楽とは切り離せないものなので、今年の改編(2016年4月・10月)では音楽系の番組を増やしました。とはいえ、その前にやらないとダメなこともあります。まずはワイドFMという言葉を知ってもらうこと、そしてワイドFM対応のラジオに切り替えてもらうことです。今回STVラジオは90.4MHzでFM放送を開始しますが、最近のラジオは90MHzまでしか聴けないラジオも多いんです。実は昔のテレビの音声だけを受信できるようなラジオであれば、ワイドFMを聴くことができます。AMラジオのリスナーを大切にしながらワイドFMを普及させていく、ということが今進めていることです」

     

    ホームページを拝見すると「ラジオの聴き方」という項目があって、ちょっと驚きました。これも時代の流れなのかと。

    「若い世代から『ラジオってどうやって聴くんですか?』と質問されたことがあって。『今はスマホでも聴けるんだよ』と答えたら、びっくりしていました。彼らにとっては、ラジオはニューメディアとして捉えられるかもしれないというレベルです。実は東京ではワイドFMが先んじてスタートしているのですが、ラジオ全体の聴取率は上がりました。そういう意味では期待は大きいですね。あとは聴取率調査の年齢層を上げてくれれば、さらに良いんですが

    ※現在の聴取率調査年齢は12歳から69歳(10年ほど前に59歳から上がっている)

     

     

    STVラジオは北海道民の生命と財産を守るメディア

     

    私の個人的な見解としては、ここ10年ほどラジオが注目されたのは災害のときだけだったので、今回タイムリーやワイドFMでラジオという媒体が再注目されていることは、ラジオにとってとてもいいことだと思っています。

    「逆に言うと、このチャンスを掴み損ねたら、という思いがあります。ラジオにとって、最大にして最後のチャンスかもしれない……これは社員・スタッフにも話していることですが、このタイミングでラジオの魅力を伝えるために徹底的にやるぞというところですね」

     

    最後に、今後のラジオの在り方についてどのようにお考えですか?

    「ラジオというメディアの特性上、地産地消の精神を忘れてはいけないと思っています。そこを外れると、誰にも聴いてもらえなくなる……地元で育ったネタを、ラジオ局で料理をして、北海道民に食べてもらう……北海道の方々に役に立つ情報にしていくというのが原点ですよね。その道民との信頼関係や深さをスポンサーに認めてもらって『モノが動く』ということの積み重ねです。それに加えて、災害時の体制強化ですね。先日も北海道では台風で大きな被害が出ましたが、エンタテインメント性が強い情報だけではなく、道民の生命と財産を守るメディアとして、ラジオはますます地元ありきの存在になっていくと思います」


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